2012年4月13日金曜日

その果物が

その果物がなぜ美しいのか
ありふれた木の器や
織物が敷かれた古いテーブルや
窓から差し込む光が
なぜ美しいのか
私は彼女に尋ねてみたくなった

なぜ
美しいのだろう

それで私は
彼女に電話を掛けている
答えはきけるだろうか

彼女は出ない
彼女は大学に勤めている
学芸員の資格を持っている

何かきけるはずだ

だか
きけたのは
電話にでることができません
というアナウンスばかり

その繰り返し

答えは自分で考えなくてはならないのか
彼女もまた
なぜ
美しいのだろう

美術館に飾られた
一枚の静物画のように

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