たとえば目を瞑ると見えてくる森の中の一本の木は
高度な生命装置であると言ってよい
葉脈が張り巡らされているその様は
幼児の絵のようにいびつで自由奔放だが
きちんと葉は葉として生き永らえ
その与えられた役割を果たしたのちに
枯れて地面に落ち次の生命を育む要素となっていく
どこからどこまでが自分の生命と言えるのか
その疑問を差し挟む暇もなく
生き物たちは生きて死に
他者の生に命を混じえ響き合い歩をすすめる
一枚の葉と葉脈
今はただ母なる木の一部として
陽の光を受け風に湿気を発している
雨の日には雨粒を受け止め
風が吹けば身を翻してささやきを伝える
人である私は木の傍らを過ぎ去り
いつか木のことを頭の中に思い浮かべては
その美しさの訳をこねくり回す
木より粘土に近い私は
地面の近くで泥と一体となって
やや明るすぎる夜を眠る
体の中にある眼を見開くことはせず
今日は、泥のように眠りたいです。
返信削除この詩を参考に。
現実から逃げることすらできずに見ないふり。
返信削除繰り返す自然をこれみよがしにこねくりまわしてるあなたは裸の王様
心の目が見えず前へ進めないから
未だに足踏みだね。