2011年6月19日日曜日

木枠の外へ

木枠にはめられた硝子向こうに
うるさいほどの緑が息づいているが
静かなこの地に聞こえているのは
鳥や葉擦れの音ばかり

木枠にはめられた生き方など
もう嫌だと心はか細く叫ぶが
雑事にかき消されて鎮まってしまう

木枠のむこうには
破天荒な娘が
新しい人生を始めようと躍起になっているのだが
足を鎖で繋がれていて飛び出すことができず
それで自分を傷つけてしまう

一瞬
木枠が外れ
鎖がほどけたすきに
手を繋いで逃げ出そうとしたが
静けさがそれを遮った

その饒舌を
誰も気づかなかった
ただ私だけが
木枠にはめてそれをみていた

1 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2013年2月18日 13:46

    うーん、難しあなあ、この詩。

    とにかく、あなたの心にはまった木枠の硝子を外すことから。

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