2011年6月1日水曜日

躊躇いびとの終幕

そろそろ色んなことが終わる
梅雨雲と一緒に彼方に消えてゆく

あとには 見る限り
何も残っていないようだ

木に咲いた小さな花が
枝を揺すっているだけだ

着せ替え人形のような
あなたの姿は
しばらく漂っていたけれど
いつの間にか手頃な人を見つけて
手を取って歩いて行ってしまった

ここにいるはずの私は
語るのをやめると
ボロボロと崩れ
見る影もない

語り手がいなくなると
物語はなかったことのように
気配さえ見当たらず
オロオロと躊躇いびとが
茶を濁すだけ

2 件のコメント:

  1. 「苦しみ」が終わるのはホッとするけど、
    「終わる」のは大概さみしい。
    でも、終わっても誰かが語り続けてくれたら、
    誰かが書き留めてくれたら、何か残してくれたら
    終わらない。
    お茶はいつまでも濁らせておいてほしい。

    返信削除
  2. マツザキヨシユキ2011年6月2日 2:21

    ももさんへ
    深いですね。
    お茶を濁すっていう否定的なコトバが、肯定的に輝きはじめましたよ。

    返信削除