2012年2月8日水曜日

名前も知らないで

名前も知らない
けれど
その笑顔を知っている

何度でも
再生して
自分だけのスクリーンで
見ることができる

青い波の上を行く
白い綺麗なヨットのように
あなたは揺れている

私も合わせて
左右に揺れる

そのとき
2人は互いに静止している
揺れているのは世界のほうだと
そう思えてくる

何と都合のいいイメージなのかと言われても
もう二人は立ち去っていて
地平線の彼方へと歩いてる
リュックには
二十億光年の孤独
などという詩集が入っていたりして
ちっとも孤独じゃない私たちは
やがて長い旅を終えて
最初に会った場所まで戻ってくる

そうしておもむろに尋ねる
名前を教えてもらえませんか?

もう誰もいなくなったその場所で
蛇足のように

2 件のコメント:

  1. 笑顔を知っている人の名前は知らないのに、
    名前は知っていて笑顔を知らない人が、
    大勢いる不思議な時代です。

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  2. そう、名前なんかもう知っている。
    ただ、聞いてみたかっただけ。

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