2012年1月5日木曜日

最後の一枚

その一枚を脱がしてしまいさえすればいいのだ
そうすれば
すべてはうまくいく
それをずっと以前から
待ち構えていたのかもしれない

だが
その一枚はなんと近くて遠いことか
テーブルの向こうの暗がりに
まるで月夜の帆船のように
白い帆を張って誰かが訪れるのを待っているというのに
私の高ぶる感情の波が邪魔して
近づくことができない
生ぬるい風も立ち止まり
見守っているというのに

あれが最後の一枚なのに
立ち往生しているなんて

帆の放つ光の魔力よ
私を導いてくれ
すべての縛りから開放して
あの一枚の布に
手が掛けられるように

1 件のコメント:

  1. 手を伸ばせば届きそうで
    届かない 夢への扉

    あと一歩のところで
    足がすくむ 弱気な自分

    縛っているのは
    紛れも無い この自分と
    分かっているのに

    再び 風が吹くのを待っている

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