地下鉄のワンマン列車がホームで
たくさんの人を吐き出しまた呑み込んで
けたたましい発車ベルの中で扉を閉じた
いま私は電車に乗り込んだはずだが
ホームにも私の姿があった
私たちは互いを見つめ合い見送った
ワンマン列車は
私を乗せて走り去っていった
私たちは手にしたスマートフォンで
FacebookやTwitterを介して連絡を取った
駅で吐き出された私は
改札口で商売する期間限定の店の前を左に曲がり
更にグネグネ曲って階段を昇り
踊り場のトイレに立ち寄り
地上に上がると
そこは夜七時のトウキョーの街並みで
看板たちや店々が私を誘い込もうとしていた
私は誘惑されながらやっとのことで
道を歩いて行く
もう一人の自分はまだ帰宅する様子もなく
明るい商店の中をさまよっている
私は自分の部屋の自分の机の前に座り
古い作品をスキャンして
保存していく
そうしているうちに
もう一人の自分が
Twitterで近況をつぶやく
私はそれを見て
私の様子を認識する
ああ
コントロールできないもう一人の私。
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