2012年1月26日木曜日

スープをひと掬い

スープをひと掬い
あなたとの会話のひとこま
スープをひと掬い
はしゃいでいるのは興奮してるから
スープをひと掬い
あの日は一緒に潜る予定だったし
一緒にのぼっていくつもりだった
スープをひと掬い
白いシーツを被って
スープをひと掬い
朝をゆっくりと迎え入れることもできた
弾けそうなあなたの胸を
後ろから抱えて
スープをひと掬い
包み込み  真昼の公園へと
弾ませながら歩いて行くことも可能だった
それを望めば
スープをひと掬い
それさえ指の隙間から逃がし
いまは見る影もないが
スープをひと掬い
だからせめて
白いカップから銀の匙で
スープをひと掬い
悔しさを流すために
口へと運ぶ
口へと何度も何度でも
スープをひと掬い
繰り返し
苦味を無意識が味わい
塩味は涙に溶けて分からなくなっても

2 件のコメント:

  1. 思い出を温める、スープの美味しさ。

    忘れたくないことは心の奥で味わって、
    忘れたいことは、すぐに飲み込んでしまいましょう。

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  2. 幸せなふりより、不幸せなふりの方が安全だから。

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