2012年8月29日水曜日

部屋へ帰る

西友に87円のお茶を買いに行ったら隣りに78円のお茶が並べられていた。それを見て瞬時に78円のお茶を買うことにしようと思ったが、飲みたい気持ちにならなかったのでやはり87円のお茶にしようと思い、むんずと手に取ろうとしたその時、何故か入り口に2リットルの南アルプスの天然水が79円で売っているイメージが去来し、もし2リットルの天然水を買い水出しのパックで作ったらどれほどお得なのか、自分の思考を止めることはできなかった。結局何も買わずに部屋へと帰った。

2012年8月28日火曜日

土曜日に死にたい

火曜日の次は水曜日
 
永遠に回っていくところがいい
頼りになる

僕の周りの世の中は
土曜日と日曜日は休みということになっているが
月曜日が来ると思うと仕事の重圧が襲ってくる
そんなことを思い出す
月曜日が待ち遠しかったこともあったはずだけれど

永遠に回っていくことは
いつまでたっても一緒だということなので
自分が変わる必要がない
成長しても しなくても
時をやり過ごしてゆくだけで
大丈夫だということだ

この詩だって
何回書いたっていい
書かなくてもいい
それは楽なことだ

楽なことは大丈夫だということと
親戚のようなものだ
大きな差はない
間違ったことを言っても
訂正すればいい
訂正しなくてもいい

火曜日の次は水曜日 と
高らかに言おう
レベッカ・ブラックに言われるまでもなく
木曜日の次は金曜日だ
そして次にやってくるのが週末だ

僕は火曜日に生まれたので
月曜日に死にたい
でも本当は
土曜日に死にたい
日曜日を楽しみに待つ気持ちで
待たなくてもいいけれど



http://www.youtube.com/watch?v=kfVsfOSbJY0

2012年8月27日月曜日

好きな人と連絡が取れなくて

好きな人と連絡が取れなくて
心が緊急事態になっている
サイレンの音は聞こえない
自分の心臓の音ばかりがこだまする

あの人はどこに居るのだろう
どんな気持ちでいるのだろう
自分はこんなに泣きそうなのに
あのひとは私の中でなぜ 笑っている?

あの人ともっと話しておけばよかった
つまらない話でも聞いておけばよかった

好きな人と連絡が取れななくて
時間がグルグル回っていいる
眉間にシワが刻まれていく
目に見えない牢屋でいつまで待ちぼうけ?

2012年8月26日日曜日

ばびぶべ電車

水色の電車
スイスイすべる
やわらかいパンを
お口いっぱい頬張って
おいしいね
クロワッサンは
スワンのかたち

黄色の電車
夢の中にある
こうもり傘で
こっそり顔を隠して
いくんだね
寝ぐせの髪型
カミナリ様だね

赤色の電車
いつも来ない
内緒でやると
いいことがあるかな
見つめてね
わたしのこと
拐われぬよう

2012年8月25日土曜日

友だち ~ヘンテコな夜~

黒い雲
やって来た
友だち
くすんだ服
笑顔がゆがんでいる
友だち
いらいらしてる
踵が取れた靴
友だち
苦しい言い訳
部屋が散らかってる
友だち
寒い日
閉め切った窓
友だち
不器用
役立たずの信号灯
友だち
サイレン
ヘンテコな夜
友だち

2012年8月24日金曜日

非連続への逃亡

埃っぽい乾いた冷たい空気は
排気ガスを引き連れて視界を煙らせているが
僕はこの道を歩いてゆくのだ

木の枝は寒色だけとなって
大きな鳥の巣を引っ掛けているが
きょうもその下を僕は歩いて行くのだ

ひび割れた道路にできた水溜りは
ゴミが溜まり凍って光を反射しているが
僕は違う国の言葉で自分に掛け声を掛けながら
校門を出て地下鉄の駅に
地下鉄に乗って目的の駅に
駅から出て人々の集う広場に
広場を抜けてデパートの食堂へ
夕食を食べに行くのだ

何が入っているか
どう作られているかは分からない
それはどうでもいい
高くなく程よく美味しい食べ物を
ゆっくり食べられればいいのだ

注文票に書き込んで
サービス員を呼ぶ
サービス員は職名を呼び捨てで呼ばれ
無愛想に近づいてきて
一つ二つ質問をすると
そそくさと計算し代金を要求する
財布を出してお金を払うとつり銭が渡される
しばらくすると
目的の食事が運ばれてきて
テーブルに置かれる
ここから自分の時間となる

日本にいた時
僕は過去に縛られ
鈍く回転し続ける日々の歯車に
髪の毛や衣服を巻き込まれて
逃げ出すことができないでいた

連続的な自分は
いつも過去と未来を繋ごうとしていた

この地にきて僕は日々の歯車から遠ざかり
異国という船に揺られて
足元がおぼつかないまま暮らしていた
新しい友だちは
だれも日本語を喋らなかった
僕は覚えたての言葉を一つひとつ並べて
自分自身のことを話し相手の身の上や夢の話を聞いた

外では日が沈み
夜の街が夜の人の心と交わって
いつの間にか昼間を追いやっていた
昼間の人々は夜に絞め殺されてしまったのか
闇を照らす光に額を光らせて
夜の流れにしがみつきつつ
流されていく


2012年8月23日木曜日

小さい家にキレイなものが程よくあります



詩人が夏の間暮らしている
小さい家には
キレイなものが
ほどよくあります

小さい家なので
沢山おいておくことはできないから

誰が作ったものなのでしょう
作者の名前などなくても
キレイなものはキレイです

名前を背負わない心地よさで
輝いています


自分が輝いているのではありません
太陽が輝き
空の明るさを透過させるときに
そのお裾分けで輝いているのです

詩人はその
キレイを見て
時には 触ってみて
それを詩にしてしまうのでしょうか

詩にならなくても
ただそのままでもキレイな言葉で



(2012-08-18 撮影/マツザキヨシユキ) 

2012年8月22日水曜日

金平糖と詩人



「きれいですね」
「きれいでしょ」
「金平糖を主役に撮ります」



(2012-08-18 撮影/マツザキヨシユキ) 

「泣きたい気持ち」は

「泣きたい気持ち」は
泣けば、何処かに流れていくでしょう。

流れていった「泣きたい気持ち」は
また、いつのまにか、戻ってきて
あなたの傍らにあるでしょう。

それは、あなたの
「泣きたい気持ち」ですか?
どうやって区別をつけているのですか?

私の「泣きたい気持ち」は
いま、どこに行ってしまったのでしょうか。
新幹線に乗って、田舎の川を超えて、
土埃の道を通り、
あの山の中の小さな小屋の木のテーブルに腰掛けて
ひねくれてジューを飲んでいるのでしょうか。

時の流れを見ようとして
空中を神妙に探しているのでしょうか。
暮れゆく外の景色を
呼吸とともに胸に容れようとしているのでしょうか。

「泣きたい気持ち」は
帰ってきますか?
それは誰かの気持ちと
入れ替わっていませんか。
名前はついているのでしょうか。

「泣きたい気持ち」が
帰ってくるのを、こうして待っているのも
変ですね。

2012年8月21日火曜日

私たちの島

木下くんが
木の上にいて
ぼくを呼んでいる

小山くんが
広場で
野球をしようと誘ってくる

栗山さんが
喧嘩はやめなって
梨を手渡してくれる

反町くんが
村上さんと
デートしている

谷川さんが
湧き水を飲んで
冷たくておいしいって言う

君島さんが
竹島は
私たちの島だという

2012年8月20日月曜日

鍵と鍵穴

この鍵に合う鍵穴は
どこにあるのか
長いあいだ探している
鍵を握りしめて
錆びないように手の油を摺り込みつつ

この鍵穴に合う鍵は
誰が持っているか
探している
違う鍵を無理やり突っ込まれて
壊れてしまうことを怖れながら
また同時に夢見ながら

片っ端から
鍵穴に鍵を突っ込み
ぐるぐる回してみる

入ってきた鍵は
この扉をなかなか
開けることができない

鍵と鍵穴は出会えるのか
バラバラにされた
二人

出会えた暁には
扉の向こうに
何が待っているのか
鍵穴は鍵と話し合いたい
誰にも見られないように
誰にも聴かれないように
鍵穴を照らす灯りも消して

2012年8月19日日曜日

初めての匂い

この空気の匂いは
あの時と同じ
初めてここにきた時に胸に吸い込んだ
いい匂い

それは未来の希望そのもの
太陽が照りつけても
雨が降り続けても
なくなることなく
胸に芳っていた

だが
何時の間にか忘れてしまっていた
その匂い

いま
突如その匂いと再会し
目の前に
希望の後姿が現れた
希望の顔が見たかったら
追い越して
振り返らなくてはならない

一からやり直しだが
初めてやるのと変わらない

その匂いに誘われて
そわそわ
何もかもを
始めようとする

知らない土地を訪れた
歳若い旅人のように

これからあなたを

やることがなくて
人の集まる場所に行って
道に立って
行き交う人を見ていた
暑かったので
ノースリーブで
背中は裸にあやとりみたいな紐
Tバックにして足も出した
悲しかった
その上寂しかったので
誰かと出会い
バクチに出たかった

分かってくれない人は
そのままでいい
鈍いやつはキライ
私はニブくないから
キレないし
綺麗ではないけど
綺麗だと言ってくれる人は
嘘で言っているのではないと
わかる時がある

香林坊から片町へ
私は夜の仕事をしている女たちみたいに
なりたくないが
よく考えたことはない
どこが違うのか
どこが一緒なのか

私の脚は細くて長い
光を反射して
たまに見とれてしまい
自分のものと思えなくなる

あなたのものでもないけれど
これから
あなたを探すのよ

2012年8月18日土曜日

いやらしいひとは

いやらしいひとは
私が泣く時 かえって勢い良く笑っている
いやらしいひとは
私の知らないところで私を馬鹿にして楽しんでいる
いやらしいひとは
いやらしくありませんという顔をする
いやらしいひとは
いやらしいひとだと薄々ばれている
いやらしいひとは
むかしはいやらしくなかった
いやらしいひとは
途中からいやらしいひとになったのだ
その原因は
私にあるかもしれない

2012年8月17日金曜日

何故口車に

何故雨が振っているのだろう
誰も傘を差していないのに
何故口車に乗るのだろう
タクシーさえ嫌いな人なのに
何故優しくしてくれるんだろう
会ったこともない知らない人なのに

2012年8月16日木曜日

威張っている人

威張っいている人は
人々を見下している
物事を馬鹿にしている

下ばかり見ているので
前を見ることができない
物事を馬鹿にしているので
自己陶酔して孤立している

威張っている人に会った
威張っている人は元気だった
だが
悲しそうに見えた

威張っいる人は
威張りながら言った
「君を助けてあげようか」

「助けて欲しい」
とこたえると
「助けたら何をしてくれる?」
と言った

威張っている人は
かわいそう
威張っている人は
威張ることが人生
威張っている人を
助けてあげたい

威張っている人を
どうやって助ける?

2012年8月15日水曜日

うらみのかんじょうは

うらみのかんじょうは
どうやってもっていたらいいですか
すてようとしても
すてられないやっかいな きもち
にくしみにかわらぬよう
かんししていたほうがいいですか
あいじょうをくわえると
なにかべつのものに かわりますか
おしえてください
だれでもいいから
おしえてください
あなたにはかんしゃするから

うらみのかんじょうは
ながいじかんがけいかすると
つるつるのひょうめんをもつ
きずあとにかわったりしないのでしょうか

2012年8月14日火曜日

私を生かす

来年も今日の日はやってくる
カレンダーには
来年の今日の日付も印刷されている
来年だけでなく
この先ずっと 
毎年今日の日はやってくる

そこに誰が居るかは
その時にならないと分からない

今日の日が
また来年も
再来年もやってくることは楽しいこと

やってくるかどうかわからないものを待っているのも
悪くはないが
必ずやってくるものがあることは
私を生かし続ける

2012年8月13日月曜日

護美

あなたの周りにゴミはありませんか
明日はゴミの日です
燃えるゴミの日です
燃えやすい燃えにくいに関係なく
「燃えるとゴミ」と分別されたものを
出すことができます

私は燃えるゴミの日が好きですが
同時に恐怖を感じます
「生ゴミは燃えるゴミとして出してください」と
書いてあります
生ゴミを出すのは気持ちがいい
部屋の中からゴミが消えるのは気持ちがいいものですが
自分が消えて燃やされてしまうことを
考えずにはいられません

あなたはゴミの日が好きですか
あなたのゴミはどんなものが多いですか
人によってゴミの種類も基準も違います
まだゴミだと思えないものであっても
他人から見れば「最初からゴミであった」ということも
しばしばあります

さてみなさん
明日はどんなゴミを出しますか
燃えるゴミのなかに
「燃えない」と分別されるゴミを混ぜると
心が傷んでゆきます
ゴミ萌ぇ~

私はゴミよりも
ゴミの日のさわやかな空気が好きです
何もかもなかったことにするような
白けた空気が


2012年8月12日日曜日

あなたのことを

楽しいことはいくつもあった
ごはんがおいしいと感じたことも
朝の光が眩しくてやる気が満ちてきたことも
愛する人がいることに涙したことだってあった

そんな瞬間は
日々の中に散りばめられていたから
気づかぬふりをしていても
それらは絶え間なくやってきたので
私を満たしてくれた

あなたは私の傍らにいて
私の方を見ながら
たまに笑った
取り留めもないことを話題にして
げらげら笑うこともあった

楽しいことは
いつも私の不安を先送りにして
おかげで私は不安に捕まってしまうことがなかった

だが
不安に捕まってしまった人は
絶望色に染められて
中身まで絶望に侵食されるのが
時間の問題だった

私には何かできるのだろうか
ひょっとして私の中の不安も引き出されて
私たちは飲み込まれてしまうのではないか
そんな不安が
私を不安に捕まってしまった人から遠ざけた

ごめんなさい
心は叫んでいたけれど
私は忘れようとしていた
大好きな
あなたのことを

2012年8月11日土曜日

くすぐったいものは要らなかったのかもしれない

あの人が死んだ時に生まれた光が
いまあなたの上に降り注いで
何かを伝えようとしているが
あなたは気づかないでいる

あなたは
わたしは
向きあって
静かな話をしているから
遠くで鳴いた鳥の声も
意識の上では像を結ばない

あの人が生まれた時に消えた光が
また灯る
そして
さっき届いた光と波長を交感して
私たちの眼にH2Oの滴を浮かび上がらせた

風邪がそれを乾かそうとしたが
それより前に二人はそれを拭ってしまった

理由を物事から排除するように
ただ生きていることを感じたかったから
くすぐったいものは
要らなかったのかもしれない

2012年8月10日金曜日

悲しみを持っている人が

悲しみを持っている人が手にしたら
にぎやかな花火まで湿気ってしまい
何度やっても
火が点かない

私の心も同じ
でも
それでも
あなたのそばに 
ずっと居たい

2012年8月9日木曜日

泣きたい心は

泣きたい心は蝉にあずけて
ぼくはすました顔をする
どこにいくかは電車にまかせて
知らない駅で降りましょう

2012年8月8日水曜日

友達の数は多いほうがいいですか

友達の数は多いほうがいいですか
少ないほうがいいですか
友達とは
言葉で喋れたほうがいいですか

いいものは分け合ったほうがいいですか
独り占めしたほうがいいですか
車より電車のほうがいいですか
電車よりバスのほうがいいですか
日暮れより朝焼けの空が好きですか
何もない空と雲のある空とどちらがいいですか
途中でやめるよりやらなかったほうがいいですか
やるときには準備したほうがいいですか
苦し紛れに
言い訳を言ったほうがいいですか
言わないほうがいいですか
お金より命のほうがいいですか
お金のほうがいいですか
五月蝿いのと静かなのとどちらがいいですか
詩と散文ではどちらがいいですか
詩でないものは散文でないものより良くないですか
私にはわからないことがたくさんあるのと
わかることばかりなのとでは
どちらがいいですか
あなたは答えるのと質問するのとでは
どちらがいいですか
耳を塞ぐのと
目を塞ぐのではどちらがいいですか
喋れないほうがいいですか
いいものは分け合ったほうがいいですか
分け合うなら
ないほうがいいですか
あったほうがいいですか

2012年8月7日火曜日

北京のメモ用紙

僕は北京のメモ用紙が好きだ。
四角く白いやや厚めの紙。
手のひらに持つと指だけが鈎(かぎ)のように引っかかる。
天糊で綴じてある。
僕はそこにメモリたいことを書くのが好きだ。
寝ぼけ眼で起きぬけに夢を書いたりするのが一番好きだ。
書かれたことは他人には意味不明でも自分には分かる。
メモ用紙が応援してくれるからだ。
メモ用紙は威張っていない。
とても律儀で控えめで主張し過ぎない。
誰かさんに見習って欲しいくらいだ。
私はメモ用紙をよく持ち歩く。
鞄の中へ放り込み、ついでにペンも放り込んで、よく、手探りで見つけ出して取り出しては使う。
メモ用紙にはなくならないで欲しい。
一生そばに居て欲しい。
そして私が人生を終えた後にも、私の友だちや親しかった人の言葉をメモして欲しい。
その場に居ない私に対するメッセージをメモして欲しい。
消えないインクでも、消しゴムで消せる文字でも、落書きのような絵でも、なんでもいいから。
逆らわないでメモ用紙は答えてくれるだろう。
自分の役目を全うして、きみはそのあとどうするのか、その計画はどこに記せばいいのか、答えを知らなくても。


注釈
じっさいには「北京のメモ用紙」は中国国内で製造されたものではなく、輸入されたものである。筆者が賞賛するメモ用紙は、筆者が宿泊したホテルの備品として設置されていたものであり、「北京のメモ用紙」と呼称するにはいささか無理がある。ただ筆者にはそう呼ぶことしか出来ない「何かの特別な思い」が存在し、その「何かの特別な思い」こそがこの詩の主題となっていることは、誰の眼にも明らかだろう。

2012年8月6日月曜日

それは私のこと

もう一つの入口は他人の家の中
畳にスリッパの影がうつり
小さな二人乗りモノレールが
柵だらけの広場からやってくる
公共の乗り物なのに民家のお茶の間を通るルート
別れる寸前のカップルがしんみりして向き合っていたり

死んだ人も生きていた時と同じようにゲラゲラ笑って団子を食べている
民話の登場人物や動物たちも朝から晩まで持ち場に集い
人の気配を気にしている

深刻な人は首すじに汗を流している
腹は膨れすぎ
引きこもりに根が生える


2012年8月5日日曜日

おなじことを

おなじことをなんどもくりかえすことは  いいことです  おなじことにあきてしまうのは  それはこころがわるいのです  いいことはくりかえしやる   わるいことだけくりかえさないというのはわがままです  わるいことをくりかえしたとき   いいこころがたいこうしようとしてそだちます  まいにちくりかえすものを   みならいましょう   しぜんとちきゅうがまわるように   みずがひくいところへながれるように   まわりじゅうのものと   いったいになります   そうすればちいさなじぶんのなかに   ひろいうちゅうがひろがり   からだのにくも   ひふも   そとがわも   うちがわも   かんけいなくなります    くりかえしおなじことをおなじようにすると   じぶんがうちゅうであることに   みたされます

世の中の人間に混じって

世の中の人間に混じって遊んでいるが
自分は世の中の人間ではないので
いつか世の中から出なければならない
 
このような人はもちろん私だけではなく
大勢いるのだ
たとえば砂場で遊んでいる砂田君や
川上で木の実を取っては選別している川上さん
猫と遊んでいる猫田さん
野原で口をあけて眠っている野口さんだってきっとそうだ
 
だが井戸の上で食事ができるのを待っている井上さんは
世の中の人間だ
広い神社で「末吉」ばかり出るという噂のおみくじを作って売っている広吉君も
そちらの人間だ
 
けして差別しているわけではない
差別されることは多いので
差別の意識からは離れられないが
 
世の中にいろんな居住区があやふやに設置されているが
(これは昔 誰かが暗黙のうちに共闘してこのようにしたものなのだが)
もうそのことを意識する人も知る人も少なくなった
 
 
 
 
 
 
 

2012年8月3日金曜日

あなたがいるから

母に抱かれて初めて外に出た日の
風の香りを覚えていますか?
背中に感じた自分の重さを
日差しの中に輝いて見えたものを

あなたは何もかも
いまはなかったことに
しているのではありませんか

あの日と同じように太陽が巡っている
どこかで同じ花が咲き乱れている
あなたがいなくても
あなたがいても

だが
あなたがいて初めて
私のこの世界は美しく
地球とともに公転し始める

2012年8月2日木曜日

わたしはだあれ?

ぐーにゃんは
女の子
ぐーにゃんは
自分のことを
ぅおあ
といい
友だちは
りんりんと呼び
教会の牧師さんは
しゃおちえと呼び
外国の友だちは
りょうと声をかけくる

日本人は
りゅうさんと呼び
中国人は
しゃおりょうとよび
妹は
ちえちえと呼ぶ

ぐーにゃんはだあれ?
ぐーにゃんは女の子
私は女の子
私はだあれ?


2012年8月1日水曜日

ちょっと変なプロポーズ

不安な時間には
胸を締め付けられ
首根っこを押さえられ
手足を縛られ
猿轡をされている

不安定な時間には
崖に追い立てられ
宙に吊るされ
真っ暗闇に魑魅魍魎が蠢き
耳の奥で断末魔が聞こえる

やりきれない時間には
すべてが台無しになり
辱めを受け
大事なひとを人質に捕られ
台風と火事と事故に見まわれる

そんなことばかりの私です
あなたは私をどう攻めますか

2012年7月31日火曜日

弱い心を

強い心はどうやってできますか

それは苦しみの芯の周りに
降り積もる雪が
固まったものなのでしょうか

それとも
優しさが引き寄せた
砂鉄ですか
枯れたと思われた土地から
突如目を吹きだした新芽ですか

強い心は弱い心を助けますか?
強い心は
くじけた時
卑しい心と仲良しですか
夜空に見える星とは
友だちのままでいられませんか

私の弱い心は
強くなることができますか
何度やり直しても
いつまでやり直し続けでも
構いませんか

自分の弱い心に
訊いてみるけれど
心は答えをはぐらかします
追い詰める方法を
誰か知りませんか?

知っていたら
私の心に教えてください

2012年7月30日月曜日

あなたについてわからないこと

地球上のどこにあなたはいるのか

あなたがどれだけ背伸びして何かを見つけようとしても
あなたの出っ張りはGPSに測位されることはない
あなたが電波を発していないのは
あなた自身がそれを断ち切ったから

あなたは地球上を走り回り
いくつかの言語や記号を巧みに混ぜてしまう
そのためにあなたの言語はあなたの香りを強く放っている

あなたの声はまた
複雑な音源を混ぜることなく
ピュアなか細さで構成されている

たから私は
いつも何をどうやって
あなたと近づき結び合っていいのかわからない

2012年7月29日日曜日

問われていないのに話し始める

そんなに隙間なくうめなくたっていいものをあさっての予定
このへんのタクシーは暑くても窓を開けているんだ暑いな
COSTA COFFEEはここにもたくさんあるがスタバよりいいCOFFEEの文字もあるし
1971年生まれだって私より若い
夜の街に吸い寄せられ何か吸い取られなければいいが
どの街でも街は同じ店が進出してくるなくなる店もあるが
彼女はどんな将来ビジョンで毎日暮らしているのだろう私にはない
ホテルに帰ろうきょうはそこが私の故郷
地下鉄のアナウンスの女に惚れたいつか巡り合って確かめたいことがたくさんある
私には誰かに聞かれ答えるべき回答がない用意していない都いう意味ではなく

2012年7月28日土曜日

あさってはやってくる

あさってはやってくる
あしたがやってきた
そのあとに
あしたにも
あさってはやってくる
あさってがやってきた
そのあとに

そうして
100年後も
1000年後も
その次の日のあさっての
前の日に
あさってはやってきて
いるだろう

2012年7月27日金曜日

あしたからがんばります

あしかからがんばる
(*_*)
ふしたからがんばる
(*_*;
ふはあのとなり
あしかはあしのこうほ
(*_*;
jzx@g9d8g
みなれたこれはまつざきよしゆきのいちの
えいじ
めは?
これなに?
6q@yb@→おだんご
おたんこなす
あしたからがんばります

2012年7月26日木曜日

3枚羽根の発電機

3枚羽根の発電機が
空気を切り裂きながら
欲望を仕分けしながら
唸っている

その唸りをBGMにして
海は波を寄せ
風は来るべき時間を連れてくる

ぼくは
ここにはいない人のことを
さっきから思っている

その人の笑顔は
甘えた声でいつまでも
何度でもぼくに
話しかけてくる

3枚羽根の発電機が
ぼくを切り裂きながら
愛を仕分けしながら
唸っている

ぼくもまた
唸りをあげて
夜の夢を先取りして
淀んだ空を塗りつぶす

星が1つ見え始めた浜には
3枚羽根の発電機が
この星の灯りを瞬かせている

2012年7月25日水曜日

私船

もう死にたいと嘆いている夜は
全く死にたいとは思っていない
だから必死に生きる途を探す
夜空と朝焼けが交わる河原あたり
過去と未来の渡し舟の上真夏の静止した風に



Facebookで連載

Facebook で写真家野口勝宏さんと毎日Collaborationしている「福島の花」シリーズ。

縁側にて

真夏の午後に
縁側に腰掛けて
熱いお茶を飲んでいる人
鮮やかな緑色の湯が
喉を通過して行く
蝉の鳴き声が響く

さっきまで
お茶を飲んでいた人は
何処からやって来て
何処に行ってしまったのか

かすかなぬるい風が
縁側を廻っている

夕方の太陽は
ほどなく
真昼の太陽を押し出し
空を橙に染めるだろう

何もかも
我が身に起こることは
お茶を飲んでいた人と
すべてが同じこと

縁側は黙って
軋むだけ
樹の葉を移して
黒光りして
この夏も熱されている

2012年7月24日火曜日

そこはあそこ

次々と建物が建つ
そこに
次々と透明な塔が建つ
そこに
時が経つ
そこに
居なくなった人々が立つ
そこに
友達たちの裸体が立つ

私は後悔を隠さない
懐かしい思い出を
そこに遊ばせる
ラジオやら電話やらの電波が
そこに
留まることはなく
鳥の影さえ
通りすぎてゆく

階段を逆から昇る人
足音を吸着するフィルムを
回収するゴミ収集車

そこは
そこにいるひとにとって
あそこ

あそこは
彼らの中心

誰が発しているのかわからない声が
くちびるの奥で
君の名を呼んだ

2012年7月23日月曜日

宇宙人

さっきから猫を撫でてかわいがっている人は
半分 猫に成りかかっている
本人は気づいていないらしい

猫も 四分の一ほど
ヒトに成りかかっている

二つの生き物が
歩み寄り
混ざり合い
お互いの中に入っていくことは
よくあることだ

猫とヒトとの境界線に
夕日が沈み
星が輝きはじめる

私はその星を見て
六割ほど
宇宙人に成りかけている

2012年7月22日日曜日

友達と私は

野菜を作っている友達は
やや黒い
詩を書いている私は
やや白い

友達はやや痩せていて
私はやや太っている

太陽は友達を毎日長い時間照らし
エアコンの風は私に毎日長い時間吹く

友達と私はだいぶ違う
私は友達とだいぶ違う

私が考えている時
友達は夢を見ている

2012年7月21日土曜日

もうすぐ目薬を

目薬をさしてあげよう
愛する人よ
水晶を抱えたコーヒー色の瞳が好きだ

綺麗な円を描き
外側に広がっていき
やがてぼんやり白昼のもとに消えていく瞳
境界線からは陽炎が立ち上っている

瞼を閉じた瞳も好きだ
睫毛とともに動きやがて震えながら静止する


瞳を包んだ瞼は
こんもりと丘を作り
光沢のある黒曜石やガラスの粉が
表面で光っている

嬰児を孕み
予感の胎動を
扱いきれずに
放出している

睫毛は筆とは違う
瞼と瞳の間に
決まりごとを作っている
私は
そのあたりを含め
すべてが好きだ
大好きだ

2012年7月20日金曜日

目撃者

たとえば
すべり台の途中で
世界がわたしの前から突然溶けて
なくなって
独りだけすべり台の途中の位置に
取り残されてしまったら
一緒にいたあなたは消え去った世界で
何を頼りに生きていけばいいのだろう

あなたのことがいつも心配だ
私のことを忘れてしまう
あなたは私のことを
忘れているのではないか

とある午後
私はあなたに鍵をかけて
その鍵を飲み込んだ

あなたの中に誰も出入りできず
あなたがさらわれても
誰も気づかぬように

ただ私だけが
それを目撃していた

2012年7月19日木曜日

木の子ども

木の子どもは
父母(ちちはは)に抱(いだ)かれて空に顔を出す
笑顔の表面は
つややか

風も
やってきた小さな虫も
滑ってしまう

木の子どもは
父母に抱かれてオトナになる
清々しく薫る
花を咲かせる

誰も
その花に
見惚(みと)れないものはいない

木の子どもは
もう子どもではなくなった
だが笑顔は
あの日のまま


(李先生に)
分度器な気分がするぞ

2012年7月18日水曜日

あなたは私を無視しないの

信じてよ 私を
信じないでよ 私を
私に言われて変えないでよ あなた
私に言われて変えてよ あなた
あなたに抱かれたいの 私
あなたに抱かれたくないの 私
立ち入ってこないでよ あなた
立ち入ってよ あなた
しらけた顔で見物しないでよ 私たち
しらけた顔で見物してよ 私たち
雨が激しく降ってきたじゃないか 心の中
雨が激しく降ってきてないじゃないか 心の中
すべては私を飲み込まないの 死ぬまで
すべては私を飲み込むの 死ぬまで
あなたは私を無視するの 昨日から
あなたは私を無視しないの 昨日から

2012年7月17日火曜日

うえからものを

うえから ものをいうひと
したを みている

うえから ものをいわれるひと
うえを みている

うえから ものをいうひと
したしか みない

うえから ものをいわれるひと
ひろいうちゅうが ひろがっている