真夏の午後に
縁側に腰掛けて
熱いお茶を飲んでいる人
鮮やかな緑色の湯が
喉を通過して行く
蝉の鳴き声が響く
さっきまで
お茶を飲んでいた人は
何処からやって来て
何処に行ってしまったのか
かすかなぬるい風が
縁側を廻っている
夕方の太陽は
ほどなく
真昼の太陽を押し出し
空を橙に染めるだろう
何もかも
我が身に起こることは
お茶を飲んでいた人と
すべてが同じこと
縁側は黙って
軋むだけ
樹の葉を移して
黒光りして
この夏も熱されている
0 件のコメント:
コメントを投稿