2012年8月11日土曜日

くすぐったいものは要らなかったのかもしれない

あの人が死んだ時に生まれた光が
いまあなたの上に降り注いで
何かを伝えようとしているが
あなたは気づかないでいる

あなたは
わたしは
向きあって
静かな話をしているから
遠くで鳴いた鳥の声も
意識の上では像を結ばない

あの人が生まれた時に消えた光が
また灯る
そして
さっき届いた光と波長を交感して
私たちの眼にH2Oの滴を浮かび上がらせた

風邪がそれを乾かそうとしたが
それより前に二人はそれを拭ってしまった

理由を物事から排除するように
ただ生きていることを感じたかったから
くすぐったいものは
要らなかったのかもしれない

0 件のコメント:

コメントを投稿