世の中の人間に混じって遊んでいるが
  自分は世の中の人間ではないので
  いつか世の中から出なければならない
  このような人はもちろん私だけではなく
  大勢いるのだ
  たとえば砂場で遊んでいる砂田君や
  川上で木の実を取っては選別している川上さん
  猫と遊んでいる猫田さん
  野原で口をあけて眠っている野口さんだってきっとそうだ
  だが井戸の上で食事ができるのを待っている井上さんは
  世の中の人間だ
  広い神社で「末吉」ばかり出るという噂のおみくじを作って売っている広吉君も
  そちらの人間だ
  けして差別しているわけではない
  差別されることは多いので
  差別の意識からは離れられないが
  世の中にいろんな居住区があやふやに設置されているが
  (これは昔 誰かが暗黙のうちに共闘してこのようにしたものなのだが)
  もうそのことを意識する人も知る人も少なくなった
   
 
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