楽しいことはいくつもあった
ごはんがおいしいと感じたことも
朝の光が眩しくてやる気が満ちてきたことも
愛する人がいることに涙したことだってあった
そんな瞬間は
日々の中に散りばめられていたから
気づかぬふりをしていても
それらは絶え間なくやってきたので
私を満たしてくれた
あなたは私の傍らにいて
私の方を見ながら
たまに笑った
取り留めもないことを話題にして
げらげら笑うこともあった
楽しいことは
いつも私の不安を先送りにして
おかげで私は不安に捕まってしまうことがなかった
だが
不安に捕まってしまった人は
絶望色に染められて
中身まで絶望に侵食されるのが
時間の問題だった
私には何かできるのだろうか
ひょっとして私の中の不安も引き出されて
私たちは飲み込まれてしまうのではないか
そんな不安が
私を不安に捕まってしまった人から遠ざけた
ごめんなさい
心は叫んでいたけれど
私は忘れようとしていた
大好きな
あなたのことを
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