2013年10月7日月曜日

不幸どころか


ジャムを塗ったところが
坂道に変わってゆく
そのとき
パンは海に
パンの耳は屋根の内側になる

白かった小麦粉は
海の青色に変わり
もう海になっている

ジャムを塗ったパンは
もう消え去ろうとしている
記憶の片隅に片足を残しているだけだ

エアコンから吹いてくる風は
むせぶほどの潮の香り
ラジオから聴こえてくる音楽は
海鳥の鳴き声となる

私は消え
私のいた空間は
景色で満たされて
不幸どころか
幸せさえ感じない









1 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2013年10月8日 0:56

    ジャムを塗ったパンを食べてしまうと
    海や、海鳥はどうなってしまうの?
    消えたあなたはどうやって戻って来るの?

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