ジャムを塗ったところが
坂道に変わってゆく
そのとき
パンは海に
パンの耳は屋根の内側になる
白かった小麦粉は
海の青色に変わり
もう海になっている
ジャムを塗ったパンは
もう消え去ろうとしている
記憶の片隅に片足を残しているだけだ
エアコンから吹いてくる風は
むせぶほどの潮の香り
ラジオから聴こえてくる音楽は
海鳥の鳴き声となる
私は消え
私のいた空間は
景色で満たされて
不幸どころか
幸せさえ感じない
ジャムを塗ったパンを食べてしまうと
返信削除海や、海鳥はどうなってしまうの?
消えたあなたはどうやって戻って来るの?