あの人の愛はなくなってしまった
もう私に向けられる愛はないのだ
猜疑心が周りじゅうの人の心に芽生えて
誰もが私を嫌い疎まし思うようになった
ずっと続けてきた仕事も私を嫌い
あっさりと私を手放した
集いの場にも呼ばれなくなり
あらゆる友人知人からの誘いもこない
おまけに皮膚がただれ
歯も抜け落ち
悪夢にうなされ
精神を病んだ
錆びた自転車はパンクして
歩く方がましになり
食品は消費期限がくるまえに
カビたし腐ったりもした
物陰から小蝿が湧き上がり
雨漏りもひどく
エアコンも壊れ
自分自身が不快指数の塊になった
思い出のなかに愛を探し歩いても
磁石のように弾かれて
見つけることができない
一人で座り心地の悪い椅子に座り
片目だけ開けてコーヒーを飲んでいる
生きていることの幸せに涙しながら
それでも美しくあり続けるする世界に驚嘆しながら
過去を振り返っても、思いでの中に何かを探しても、
返信削除なんの意味も持たないんだよ
と、言いたいところだけど
あなたが駆け抜けた足跡、踏みしめた足跡、爪先で歩んだ足跡、これらがあるから今のあなたがいる
生きているということはこの上ない可能性
全てを受け止めてその椅子から立ち上がって
あなたが美しいと思う感性を信じて