2013年6月20日木曜日

夕陽色のアイスティ


テーブル越しに新宿の雑踏を眺めながら
夕陽色のアイスティをかき回します
コップのなかに渦巻きが現れます

風か吹いて
静止していた空気が巻き込まれます
氷山がぶつかり合い砕けて弾け飛びます

なまぬるい者たちは居づらくなります

唇に挟んだストローから
冷たい液体を汲みあげます
口の中を潤して  喉を冷やして
古い記憶が呼び起こされます

透明なもの同士が仲良くします
猥雑なもの同士が混ざりあい
お互いを攻めあいます

私の周りの空気も渦を作って
私は台風の目のように
動けなくなります

どこかに連れ去られたテーブルには
援交のカップルが肘をついて
ギラギラする月を
見て見ないようにしています

1 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2013年6月21日 0:39

    遠くをぼんやり掠めながら、
    いつもは飲まないアイスティをかき混ぜる
    頭は空っぽにしたいのに
    カランコロンとぶつかる音が
    懐かしい記憶をつれてきます
    台風の目のように自分はなにもせず
    回りの風に包まれながら
    流されてみるのもいいかな
    とふと思ったりします
    透明で夕陽色のアイスティかき混ぜながら

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