テーブル越しに新宿の雑踏を眺めながら
夕陽色のアイスティをかき回します
コップのなかに渦巻きが現れます
風か吹いて
静止していた空気が巻き込まれます
氷山がぶつかり合い砕けて弾け飛びます
なまぬるい者たちは居づらくなります
唇に挟んだストローから
冷たい液体を汲みあげます
口の中を潤して 喉を冷やして
古い記憶が呼び起こされます
透明なもの同士が仲良くします
猥雑なもの同士が混ざりあい
お互いを攻めあいます
私の周りの空気も渦を作って
私は台風の目のように
動けなくなります
どこかに連れ去られたテーブルには
援交のカップルが肘をついて
ギラギラする月を
見て見ないようにしています
遠くをぼんやり掠めながら、
返信削除いつもは飲まないアイスティをかき混ぜる
頭は空っぽにしたいのに
カランコロンとぶつかる音が
懐かしい記憶をつれてきます
台風の目のように自分はなにもせず
回りの風に包まれながら
流されてみるのもいいかな
とふと思ったりします
透明で夕陽色のアイスティかき混ぜながら