水に包まれた水滴を取り戻すために
水の中へ入っていった
空気の卵を産みながら
脚をバタバタして
潜っていった
水の底にも水があった
上下関係がわからなくなって
引力に尋ねた
耳の中にも水が入り
鼓膜の内側から押し返そうとしていた
水は
温もりをを奪おうとしていないことに
気がついた
温もりを与えようとして
水の約束の境界を越えようとしていた
魚が近づいてきて
疑問符を置いて行ったように見えたが
死んだ釣り針だった
深い眠りから目覚めようと
自分の住所を調べようとして
電話して尋ねようと試みているが
雑音が邪魔してうまくいかないのは
無念が人々から切り離されて
そこに置いていかれているからだと
昼夜が分からない海底で悟った
悟るための力は
懐かしいある人が与えてくれた
そう思うことと
願うことは一緒だった
ありがとう
私は私であるままで
でんぐり返しした
水の中の水滴を蹴って
卵を産みながら
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