2011年12月11日日曜日

詩の時間

笑顔で別れたあのひとが

いきなり目の前に現れた


 


といっても似ているだけのひと


おまけに二人連れで


とても仲よさそう


 


私はよく見える席に座っていて


二人に見入っている


あっ ビールの泡が


唇の周りに着いているのに


気にせずに見つめ合っている


 


二人は静かに


会話をしている


何を話しているか悟られないようにして


二人の世界を守っているのだろう


 


私はチキンにソースを絡ませて


ココナッツライスと一緒に頬張る


彼女は


煮込んだチキンを箸で割いて


ひとかけらを口に入れる


 


私は大きなベッドの上に横たわった


彼女の足の方から彼女の中心めがけてダイブする


 


彼女は前を見つめて


相手の言葉に相槌を打つが


男は小さな椀に入った麺をすする


 


私は彼女の視線に絡め取られて


言葉を失う


 


勘定を済ませて


歩き始める


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