2011年1月29日土曜日

影絵の物語

めちゃくちゃだったのか

めちゃくちゃだったのだろうか

わざとめちゃくちゃにやったのだろうか

切り絵の抜け殻のように
あなたのかたちが
夕空に残っている
風にたなびいている
当然のように
昔からそこにありました という顔をして

これは現実の景色なのだろうか
華奢なあなたの比喩として
思い余って
現れているということなのだろうか

胸では鈴がなっている
場違いな雰囲気を醸し出して

めちゃくちゃになる
めちゃくちゃになっていく
どんどんめちゃくちゃになっていく
めちゃくちゃになって
あるものは空に飛んでいく
あるものは穴の中に入ってしまう

誰かに相談してみようか
そうするべきなのか
それとも
成り行きを見守るべきなのか

またたくまに
夕空に星が瞬き始める
そして風が止む
そしてまた風が吹く
当たり前のように
きのうからそうしていました と言いたげな感じで

ああ
またもや
めちゃくちゃな映画が始まってしまう
もう100回以上はやっている

観客を取り残して
語りたいことだけが
語られていく

1 件のコメント:

  1. めちゃくちゃだったよ、
    昨日の映画より、今日の世界は。
    そして、世界は生まれようとしている。

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