「ウニ」と書いてあるタンブラーで
きみはコーヒーを飲んでいる
窓辺の席で脚を組んで
手にはケータイ
誰かを待っているような表情で
しっとりと艶かしい
グロスのルージュは
取れにくいもの
髪はやわらかなブラウン
何度か染め分けてやっとお気に入りのコンディションになった
向かいのスツールにはバックとコート
テーブルには色とりどりのアンティークグラスビーズがちりばめられたペンと
手帖
一つ溜息をつくと
だれかに溜息を見られなかったか心配になって
周りを見回した
そしてウニを
またもや唇にあてた
グロスのルージュに輝く「きみ」の唇が、ウニの針に痛んでしまわないか、ぼくは、心配で眠れない。
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