2011年1月27日木曜日

白いそれ

灯台?
岬に突き出たセンサーは
敏感すぎて
人の
声ともつかない声まで拾ってしまう
巨大なパラボラを携えている訳ではないけれど
たまに
何かの電波を受信してしまい
その都度あたふたする
表情をあわてて取り繕おうとするのだが
おそらく
誰かに監視されている訳ではない

灯台のようなそれは
何のためにそこにあるのだろう
ひょっとして
灯台自身の一人芝居?

月の夜に
カメラの感度をあげて
それを撮影してみた
シャッターボタンがぬるくなるまで
指を離さなかった

凪いだ波は無数のカイコが分泌した絹
群青の大地の崖の上に
白くなめらかに浮かぶ
立ち上がったそれ

私は黙れば黙るほど
饒舌になる
誰かがニヤリと嗤い
私は灯台の灯に照らされる

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