2011年1月28日金曜日

見つめられている

線に沿って
刃をあてて切るのですよ
定規を当てて

あなたは先生のように
やさしく命令した

しかし
まっすぐに切るのはむずかしい
いっぺんで
し終えようとするときには
いつもうまくいかないことばかりを想像してしまう

刃は進む
叫び声を巻き込みながら
大事なものを絶ち切りながら
そのためか
刃は戸惑い
よどみの吹き溜まりを作る

こんなことをしなければよかった
してきたことは逆さまから見ても
そこに佇みつづける

溜息とともに
気を散らす
切り取られたものが
私を見つめている

1 件のコメント:

  1. 人は、過ちをおかす生き物てわすね。
    キリトラレタモノガ
    わたしをみつめている。
    きりとられたのは、紛れもなく私なんですね。
    そのことに気づくのは、時間がすぎてから。
    切ない詩ですね。

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