世界には空白がいっぱいあって詩を書き入れることができる
埋めきれないほどの空白に
幾らでも文字を埋め続けていくことができる
それはたぶん
一生かかっても終わることがない
それはとても
豊かなこと
それはとても
楽しくワクワクすること
幸せなこと
いま
ここに一冊の古い本がある
時代遅れの本みたいだ
古びてくすんで日に焼けて
それでも消え去ることなく
むしろ なおさら
空気の中で輝いている
内側には多くの文字を記して
余白の方が少ないといえるが
ここにも また
私は詩を書く
文字を書き入れることができる
印刷された文字の周りに
デザインの中に
世界は
余白を埋められるのを待っているかのようだ
そう感じるのは
宇宙が広がっていっているからに相違ない
星のインクは銀糸のごとく
月のインクは金糸のごとく
血の色と白色を縫って
洗濯物のように空にかざされていて・・・
空白を見つけてあなたは文字で埋めようとしてる
返信削除思い付くままの言葉で
時にはオセロのように前に書いた言葉を裏返したり
小さい空白には小さい文字で
星のインクで願いを
月のインクで微睡みを
そしてあなたがさらけ出そうとしているのは
世界の空白でも本の空白でもなく
言葉で埋めたあなたの心の空白