2011年2月10日木曜日

美しい背景

絵が飾られた壁
夜には照明が作り出す影さえ
光源となっている
きみの背景はいつだって美しい
例えばダウンタウンの雑踏でも
きみとの境界線のエッジがくっきりと立ち上がって輝き
背景は柔らかく後ずさりして協和し
雑多なディティールを和ませる

きみのからだは光を弾いて
瞳のグレーを吸収する
脛の直線はシーツの上で燃え残る
白い灰で焔を隠す役割を果たして


白い壁に
窓からの光が反射し
きみの顔をレフ板のように明るくし
新緑の世界が宿る
きみは手のひらの上でオブジェをもてあそんで
僕に見せる

重い扉の外の世界は
きみが出現すると一瞬のうちに
背景と化す

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