白いレースのカーテンが風に揺れている
室内と外とを往ったり来たりしている
地球の
視える限りの球の頂点にいるはずなのに
なぜだか
忘却という名前がついた盆地の底深く沈んでいるのだと
感じる
机の上のモニターのスピーカーから
自分が歌詞を作った歌が聴こえてくる
地平線の彼方には
もう還ることがない人がいるにきまっている
しばらく会わない人も混ざっているかもしれない
ピアノが歌を盛り上げる
私の心も引かれていく
こうして心が動くことは幸せなことだ
幸せは
生活を見つめた消費者のためにだけある言葉ではない
あたりまえのことだ
椅子の上に私はいる
しばらくすると
椅子の上に
私はいない
忘却のコンパスが狂ったように
回る
その針の先が私を指している
意味はわからない
ドアを開けて外にでれば
日差しが照らすだろう
時刻表が導くだろう
太陽を裏側に回した地球の闇の海の真ん中へと
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