2011年2月7日月曜日

ただなにかだいじなものをしまいたがるだけで

開いていたものを閉じるとき
そのなかにモノを収める
そのことを「しまう」というのかもしれない

閉じていたものを開き
その中からモノを取り出すとき
そのことはなんというのだろう

きみはそんなことにはお構いなしに
入れたがってばかりいるのではないのか

回転しているものの上で
行ったり来たりしながら
きみとぼくはふたりで思案に暮れる

周りにはそうした人がいっぱいだ
その人達はテーブルの影で
当然のようにお互いを握り合っている

きみは
ただなにかだいじなものをしまいたがるだけで
他のことに興味がない

ぼくはきみがしまうものを探すのに熱中するばかりだ

3 件のコメント:

  1. しまうの反対は捨てる。
    しまうの反対は拾う。
    しまうの反対は開ける。
    しまうの反対は広げる。
    しまうの反対はブチまける。
    しまうの反対は立ち上がる。
    しまうの反対は歩き出す。
    しまうの反対は伸びる。
    しまうの反対は光る。
    みんな僕が、彼女にしてあげたこと。

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  2. これから読者になる第一弾がこの詩とは。クールで優しいですね。

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  3. ネムレナイトインニューヨークさん、ありがとうございます。音の響きが素敵だったので、勝手にカタカナでお呼びしてみました。よくこの場にたどり着きましたね。

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