2013年1月14日月曜日

道を湿らせて

川沿いの道を歩いた
本社の秘書たちは思い思いに
愛しい人を待っていた

社長は人間が
空き缶をかぶったようなものだ

空き缶の中の
剥かれたトマトは
震えながら恋人の体内に入ることを
夢みている

見知らぬ発情した男と
川沿いですれ違い様にガキーンと視線がぶつかった女は
カワラヒワの背中の水はけに
嫉妬しているが
互いに欲する男の前では
すぐさましっとりする

そして
川沿いの乾いた道を
湿らせて帰っていく

1 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2013年1月15日 0:36

    社長であろうが空き缶であろうが、
    肩書きもシナリオも
    本能には通用しないのですよ。

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