2013年1月11日金曜日

ひとりぼっちの命

ひとり
ひと ひとり
ひとりで生まれ
ひとりで死んでゆく
生きている時に
抱擁し合ったあのひとも
ひとりで死んでゆく
命はこの世の中で徘徊しているだけ

だれも死の門に入ることはできない
その門の向こうには
死が蹲って夢を見ている
ひとはいない
命も入ることはできない

私は生きて
いつか死ぬ
だが死の門に入るのは
私の中の死の部分だけ
それは影のようなもの
体は燃やされ土になっても
命は残り彷徨
死だけが他人事だ

いつか出会った他の命に
すまないと泣き崩れて詫びたくても
昔の記憶を命は辿れないから
もうなかったことにされてしまう

死は身じろぎもしない
私が寝返りをうっているあいだも
息さえしていないのだから

3 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2013年1月12日 0:47

    身動ぎもせず息さえしないことを死と呼んで生きている今と区別している。
    その死という領域に入ると何もかも無くなってしまうことになると、私の魂の行き場が見つからない。
    人は泣きながら生まれ、泣きながら手探りでその人生を生き、やがて瞼を閉じる。
    その後にどんなことが待っているのかとワクワクしながら第一ステージの幕を降ろしたい。
    その時は一人の方がカッコいい。

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  2. 緒方美智子2013年1月12日 23:28

    私の最初の闘病時代に読んだ 柳澤桂子さんの本を
    今年に入ってからまた読み返しています。

    柳澤桂子さんのホームページです。
    詩人のマツザキさんに失礼と存じながら…。
    http://www.yanagisawakeiko.com/index.html
    あれから25年近く、生きるということを考えつづけています。

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  3. 中村さん、緒方さん、ありがとうございます。
    柳澤さんの言葉、いいですね。
    この詩は、詩は人の生に属するかをテーマに書きました。

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