2011年11月14日月曜日

あなたのことを書くことができない

詩に
あなたのことを
書くことができない 

窓から月の光が入ってくるので
明かりを消して
あなたのことを
書こうとするけど

きらきら光る
街のあちこちちを眺めても
あなたをそこに置くことはできない

街灯の明かりから電線をたどって
あなたの部屋に尋ねていっても
あなたはひとり
アイロンかけをしているから
声をかけることもできない

衣服は過去の思い出を
浸み込ませているかもしれないが
そこに私の香りは混ざっていない

私は
言葉の通じない地で
学生と混じって生活している
あなたがつい最近まで
やっていたことを
私は経験を踏み倒して
後戻りして
やっている

あなたの後ろから
歩いていこうと決めたのは
夏の日
あなたの詩を書き続けて
書くことができないと思ったのは
きょう

十一月十四日の夜

1 件のコメント:

  1. あなたの前を歩くのは
    とても心細いけれど
    振り返れば あなたがいる
    そう信じていたら きっと大丈夫

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