2011年11月19日土曜日

バスが来るまで

バスが来るまで
話をしよう
バスがきたら
お別れ

走り出すバスを見送るのは
つらいことだ
もう二度と
約束して会うことはないから

つめたい蛍光灯の光に照らされた顔は
お化けのように青白い

いつか見た
ムンクの絵のようだ

そういえば
今日の月は欠けていて
青白い光を降らしている

涙を搔き出すにも
頼りない

何も話さないうちに
バスはやってきた

気がつくと
バスはもう何処かの駅に到着している

1 件のコメント:

  1. 旅立つ者より 
    残された者の方が辛いのは
    同じ風景の中に留まっているから
    さっきまで あの人がいた場所だから

    バスに乗ったら遠回り
    どこかで聞いたタイトルが
    涙の隅で光っていた

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