2011年10月29日土曜日

試合

あなたは私の様子を窺って

質問の玉を打ち込んでくる

わたしは

しどろもどろになるが

必死にこらえて体勢をつくり

その玉を打ち返す

 

うまく打ち返せることもあれば

そうでないときもある

フェンスを越えて

通りがかりの人に拾ってもらうことも

しばしばだ

 

それでもあなたは

不意をついて

質問を打ち込んでくる

剛速球の質問は

打ち返すことができずに

地面にバウンドして

快音を立て後ろに流れていく

 

あなたはびくともしない

笑っているのか泣いているのか

なんともないのかさえ分からない

 

星屑が暗くなった空から

降ってくる

月がやさしく灯っている

 

あなたは

私を近づけない

あなは

私が近づくのを恐れながら

誰かを待っている

 

1 件のコメント:

  1. AKITA2011年11月1日 1:53

    あなたは、攻撃的な表情で私を見ている。
    今にも、かみつきそう。
    私は、怖くなり、質問を投げかける。
    すると、何倍もの強さと威力で跳ね返ってくる。
    時に、私の質問を無視して、別の攻撃をしかけてくる。
    私は怖くて、無表情に硬直する。
    私の恐怖心とはうらはらに、月の光があたたかい。
    この場が、展開してくれることを願いながら、私は
    たたずむ。

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