曇り空を見ている
道を歩くと
自分の靴音が控えめな音を立てて鳴っていることに
心地よさを感じる
これは
さびしい
悲しみのリズムを刻んでいるのだろうか
小さな鳥は
私が見ていることに気づくと
首をかしげて何かを考えているようだったが
すぐに飛びたって
見えなくなってしまった
すべてのことがなかったかのように感じるのは
感傷的な心のせいだろうか
私が歩いていくと
木々や芝生の庭が
前方からやってきて
後方へと去っていく
見上げるられた
木は
角度の変化に合わせて
葉っぱが膨大な情報量の映像を浴びせかけてくる
しかしそれは
ひとときのことだ
銅像の向こうを回り
その古い建物の入り口から中に入り
学生たちの間をすり抜けて
教室に入ると
さまざまな国からやってきた
おそらくはさまざまな事情を変えた人々が
かたことの言葉や
流暢な母国語でしゃべっている
私は
日本で生まれ日本で育った
マツザキヨシユキという名前の人間だが
いまは
ソンチーイーシンだ
ソンチーイーシン
あなたは誰ですか
あなたはなにを
したいのですか
そうか、なるほど、そういうことね。
返信削除お忙しいところ、更新ありがとうございます☆
返信削除中国名もあるのですね。
ソンチーイーシンさん、私もさびしいです。
深まる秋のせいでしょうか。