これは
ぼくが作った電気自動車なんだ
とその詩人は言った
*これは、最終行にもってきてもいいかな
巨きな会場の床一面に
テストコースが設置されている
きょうは昼の生番組で
スーパーカーを披露することになった
サングラスを掛けた司会者が
ゲストを呼び込む
私も一足遅れて一緒にでる
サポート役だからだ
さっきまで
会場内のレストランで打合せをしていたときには
客はまだ少なく
白けたらどうしよう という感じだったのに
いつの間にか二階の上のほうまで客はが入り
心配は別の心配に変わった
盛大な拍手と歓声に
圧倒され
失敗が怖くなったのだ
スーパーカーは
ゴーカートのようなおおきさで
床は紙でできている
ボディは夏休みの宿題と同じ
牛乳パックで作ってあるが
仕上げに凝ってある
ドライバーと
後部座席にもう1人乗れるが
きょうは
車の不具合を調整する使命で
私が同乗する
コマーシャルが終わり
サングラスの司会者がスタートを盛り上げた
ついに
走り始めた
だかあろうことかすぐに
ボディがしなって
よじれて失速した
2人でよじれを直しながら
平静を装い
走り続けようと
必死になった
実況のアナウンスが盛り上げようとしているが
無理だ!
いったいどこが
スーパーカーなのだ
といった様相だ
そのとき
ドライバーが振り向いて
後ろに設置された
ちいさなワイヤレスカメラに向かって
カメラ目線で言った
これは
ぼくが作った電気自動車なんだ
カッコイイ ♪(о ̄∇ ̄)/
返信削除潔くて逃げないで。
現実世界に彼はいるか?
究極の、リサイクルカーですね^^
返信削除アイデアが素晴らしいです。
これは、ノンフィクションですか?