2011年8月25日木曜日

そばにいないひとに

そばにいない
ひとの名前を
呼んでみたくなる

そばにいない
ひとの眼差しを
何度も思い出す

そばにいない
理由について
考えてみる

そばにいない
時間のほうが
ずっと多い

そばにいない
ひとがそばにいた
時間はとても短い

そばにいない
ひとに頼みたい
ことがでてくる

そばにいない
ひとはなぜ
そばにいないのか

そばにきて
おしえて欲しい



・・・・・・・・・・・


そばを食べる彼女に

そばをたべる彼女(ひと)に
眼が釘付けになった

長い髪をゴムひもで束ね
一目散に
そばを吸い上げる

休むまもなく
食べ続ける

ブラウスのボタン二つ外し
体じゅうで
脇目もふらず食べ続ける

口の中はそばで溢れ
頬にはそばつゆが飛び散る

話しかけても
何を言っているのか
分からないだろう

ほおばったそばに
阻まれて
しゃべることはできない

そうしていつも
彼女はそばを食べるのか

そう思うと
背筋が凍るような勢いだ

彼女はなぜ
そばを食べるのか

短距離ランナーのように
必死で逃亡するように

そばにいって
きいてみたい

4 件のコメント:

  1. そばにいない
    ひとはなぜ
    そばにいないのか

    それは
    そばにいてほしいと
    伝えられないから

    まだ 伝わらないから

    ~2種類の「そば」ごちそうさまでした☆

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  2. マツザキヨシユキ2011年8月26日 0:45

    お粗末さまでした。

    と、お料理の場合は言うのが常識ですが、それでも最近は、そういう謙遜の表現はどうかな、という意識が強くなってきているようです。世界の趨勢は、適正な評価、自信を持った提示の方がイイ、という方向でしょうか。私は、どうしようかな。…その場の気持ちに素直な表現にしようか・・・

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  3. 大阪のうけちゃん2011年8月26日 9:13

    素直な気持ちを表現するのは、
    私にはとてもむずかしいです!

    見栄、照れ、自信のなさ、恥ずかしさ
    などなどが邪魔します。

    爽やかな自己表現ができるようになりたいなぁ!

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  4. そばの二連作、なかなか面白い。素直にそう思います。書いたときは自信がなかったのですが。自分としては、自分のやや普遍性に欠ける楽しみ方が出ていると思います。

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