2011年8月16日火曜日

カジュアルなカバン

カジュアルなリバーシブルのカバンにカメラを入れて
海のある駅に降りた
小さなバスに乗り
ビーチ入り口で降りた

狙い通り
夕日が見渡す限りの世界を描き出している
海の家で真っ黒な男がホースで
ビキニの水着の女に水を掛けじゃれ合っている

その脇を通って波打ち際に近づく途中で
自分にカメラをむけて写真をとった
背景はビキニの反対側の海の家の側面の壁画だ

皮のシューズが砂に沈み
気分が砂混じりになってゆく

波打ち際から左右を見ると
左手に防波堤
その向こうに灯台の明滅

右側では
いく人かのサーファーとその連れ合い
さらに遠くには
船が繋留されて行儀良く並ぶ

波はやや強く打ち寄せ
私はその様を
躍動感ある写真にしようと
取り組んでいた

どんな時でも
写真を撮るからには
納得いく写真を撮りたいのだ
私をカメラに収めようとするひとは
今日はいない

このあとの行動は決まっていた
予定は予測通りにこなされるだろう

独りでここに来ようかどうか
さっきまでの迷いはもうなかった

気持ちは愛する人と同伴していた
そのことは
きっとに伝わるだろう

デニーズに入り
月の出を待った

月は出ても出なくてもよかった
また
見にくることが
わかっていたから

だから帰りの電車のことも
ちゃんと気にしていたのだ

3 件のコメント:

  1. 夕日に照らされた砂浜・・・情景が目に浮かぶようです。

    写真撮影は独りの方が集中できますね。
    納得いく写真は撮れましたか?

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  2. カジュアルなリバーシブルのカバンを持って
    僕は、月夜の晩、
    海辺のデニーズで、昔はぐれたあの子を待っている。
    きっといい子に育ったはず。
    テーブルには、オレンジジュースと、ウサギが
    用意してくれた焼いた餅。
    待ち遠しい時間。自分撮りしながら、待っている。

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  3. カジュアルに行こう!
    なんておもいます。

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