「オレンジジュースの中に溶けたよう」
いつもライム色のあなたが
体じゅうをオレンジに染めて
恥じらいを露わにしている
「服がくっついてぴたぴたなの。たすけてほしい」
風も止んでしまったから
あなたは
私に救いを求めるしかなった
手を差し出して
引っ張るよう促す
私はあなたに
何度も肩透かしをくっていたので
少しためらったが
直ぐに左手を差し出した
あなたは右手を精いっぱい伸ばして
私の手に捕まるかのように見えたが
その瞬間に
脇から伸びてきた別の手に捕まった
あなたの体が一瞬宙に舞うと
あなたは苦痛の表情で微笑むと
薄闇の中に溶けていってしまった
私は左手をそそくさと
しまった
恥じらいのオレンジに
身を染めて
あなたはそうやって、いつも私から逃げていく。
返信削除私の望まない他の手が私をさらっていくのを傍観して。
匿名さんのコメント、的を射ていると思います。
返信削除風が止まなければ、物語は始まらなかったのですね。
言い訳ばかりで煮え切らない性格。私がその本人です。冷汗。
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