2010年12月27日月曜日

古い友だちが訪ねてきそうな日

古い友だちが訪ねてきそうな日
二度と帰らない旅支度をしている
古いカバンに 持っていきたいものを出したり入れたりして

どんよりと曇った空の隙間から
濃い青色の空が覗いている
あの辺りから
虹がかかるだろうか

今日は特別な日らしい
何処かに置き忘れ
置き忘れたことさえ忘れていた日記帳が
突如あっけらかんと出現して
続きを書けと促してくる
続きなんて書ける筈ないのに

あしたになれば
この世界に私の痕跡はないだろう
その逆に
私の胸には深い傷が刻まれているだろう
小さい頃に見た柘榴の裂け目の鮮やかさに似た

そしてその傷の痛みのために
私のカラダは軽くなっていくだろう
友だちはそのことを察してやってくるのだろうか

古い友だち
どこからやってくるのだろう
今頃
近くの駅に着いただろうか

木の机の上で腕組みして
きょうは色々なことを考えている
不思議といつものような堂々巡りはせずに
一方通行で進んでいく思考

私には
色々なことが分からない
花火を見ている気分になってしまう
色々なことは何を意味しているのだろう

問いがいっぱいの頭の中に
もういいよ という声が通り過ぎる
そのせいで
私は深く考えるのをやめる

静かな町に
太陽が巡っていく
風は遠近法の中で通り過ぎ
思いは井戸水のように
汲み上げれば美しく輝き

私が外へと踏み出し歩き始めるとき
私は静止し
私以外のものが
動き始める
私が存在しなかったときと同じように

2 件のコメント:

  1. 違和感はセンス
    差異は発見
    もやもやは予感

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  2. ももさんへ
    発見と予感が仲良しだと、面白いことがたくさん起きるでしょうね!

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