カジュアルなリバーシブルのカバンにカメラを入れて
海のある駅に降りた
小さなバスに乗り
ビーチ入り口で降りた
狙い通り
夕日が見渡す限りの世界を描き出している
海の家で真っ黒な男がホースで
ビキニの水着の女に水を掛けじゃれ合っている
その脇を通って波打ち際に近づく途中で
自分にカメラをむけて写真をとった
背景はビキニの反対側の海の家の側面の壁画だ
皮のシューズが砂に沈み
気分が砂混じりになってゆく
波打ち際から左右を見ると
左手に防波堤
その向こうに灯台の明滅
右側では
いく人かのサーファーとその連れ合い
さらに遠くには
船が繋留されて行儀良く並ぶ
波はやや強く打ち寄せ
私はその様を
躍動感ある写真にしようと
取り組んでいた
どんな時でも
写真を撮るからには
納得いく写真を撮りたいのだ
私をカメラに収めようとするひとは
今日はいない
このあとの行動は決まっていた
予定は予測通りにこなされるだろう
独りでここに来ようかどうか
さっきまでの迷いはもうなかった
気持ちは愛する人と同伴していた
そのことは
きっとに伝わるだろう
デニーズに入り
月の出を待った
月は出ても出なくてもよかった
また
見にくることが
わかっていたから
だから帰りの電車のことも
ちゃんと気にしていたのだ
2011年8月16日火曜日
2011年8月15日月曜日
オレンジの恥じらい
「オレンジジュースの中に溶けたよう」
いつもライム色のあなたが
体じゅうをオレンジに染めて
恥じらいを露わにしている
「服がくっついてぴたぴたなの。たすけてほしい」
風も止んでしまったから
あなたは
私に救いを求めるしかなった
手を差し出して
引っ張るよう促す
私はあなたに
何度も肩透かしをくっていたので
少しためらったが
直ぐに左手を差し出した
あなたは右手を精いっぱい伸ばして
私の手に捕まるかのように見えたが
その瞬間に
脇から伸びてきた別の手に捕まった
あなたの体が一瞬宙に舞うと
あなたは苦痛の表情で微笑むと
薄闇の中に溶けていってしまった
私は左手をそそくさと
しまった
恥じらいのオレンジに
身を染めて
いつもライム色のあなたが
体じゅうをオレンジに染めて
恥じらいを露わにしている
「服がくっついてぴたぴたなの。たすけてほしい」
風も止んでしまったから
あなたは
私に救いを求めるしかなった
手を差し出して
引っ張るよう促す
私はあなたに
何度も肩透かしをくっていたので
少しためらったが
直ぐに左手を差し出した
あなたは右手を精いっぱい伸ばして
私の手に捕まるかのように見えたが
その瞬間に
脇から伸びてきた別の手に捕まった
あなたの体が一瞬宙に舞うと
あなたは苦痛の表情で微笑むと
薄闇の中に溶けていってしまった
私は左手をそそくさと
しまった
恥じらいのオレンジに
身を染めて
2011年8月14日日曜日
やきもち
君は胡桃の木の下で
月を見ているんだね
ぼくはサンダルで波打ち際に立って
月を見ている
取り替えようか
君は波打ち際に立ってぼくを見る
ぼくは胡桃の木の下で君を見る
月はサンダルを履いたのだが
もう見られていないので
切なくなって
仕方なく
ウサギのついた餅を焼く
月を見ているんだね
ぼくはサンダルで波打ち際に立って
月を見ている
取り替えようか
君は波打ち際に立ってぼくを見る
ぼくは胡桃の木の下で君を見る
月はサンダルを履いたのだが
もう見られていないので
切なくなって
仕方なく
ウサギのついた餅を焼く
2011年8月13日土曜日
はぐれた あのこ
ねえ神さま
あのこは元気?
月夜の晩にはぐれたこ
あの砂浜で待ち合わせしようと
約束したのは
いつのこと?
その場所には いま
ドーナツ屋さんが建っている
そこで待てば
日照りや雨がよけられていいかもね
ねえ神さま
お願いします
あのこが
いいこのまま
育っていますように
わたしと釣り合うくらい
ほどよくいい経験を
していますように
はぐれたことが
愛おしくなるくらい
祝福される
再会でありますように
月が雲に隠れ
また現れたときに
その光が
あのこの輪郭を
浮かび上がらせてくれますように
わたしは
こえをかける
「ひさしぶりだね」
笑顔で
涙を流して
あのこは元気?
月夜の晩にはぐれたこ
あの砂浜で待ち合わせしようと
約束したのは
いつのこと?
その場所には いま
ドーナツ屋さんが建っている
そこで待てば
日照りや雨がよけられていいかもね
ねえ神さま
お願いします
あのこが
いいこのまま
育っていますように
わたしと釣り合うくらい
ほどよくいい経験を
していますように
はぐれたことが
愛おしくなるくらい
祝福される
再会でありますように
月が雲に隠れ
また現れたときに
その光が
あのこの輪郭を
浮かび上がらせてくれますように
わたしは
こえをかける
「ひさしぶりだね」
笑顔で
涙を流して
2011年8月12日金曜日
2011年8月11日木曜日
あなたとわたし
ありえない
あなたとわたし
たのしくこいする
こどうがどきどき
はちきれそうで
みつめあうと
えがおになって
いっしょにあるく
まえにうしろに
いきするときも
おもいがあふれ
かいさつぐちで
えきのほーむで
しんやのみちで
おわかれのきす
すぐまたあって
さいかいのきす
ぐるぐるまわる
まいにちげんき
びょうきになっても
まぶたのうらに
こいするひとを
とうじょうさせて
あまえてでんわ
のどがかれても
かんせつつうが
ひとごとのよう
じぶんはうまれ
かわったようで
やまいもなにも
かんけいなくて
ただただあいの
しろっぷをすい
いつまでつづく
よかんはむしし
たんじょうせきの
ゆびわをかって
にあいのふくの
このみをしって
いつもいかない
いせいのうりば
いっしょにいって
かっこをつけて
あつくないかと
きづかいあって
さむくないかと
たしかめあって
けんかをしても
それをりようし
もっとなかよく
ないたりしても
やさしさみせて
なぐさめあって
はだかのむねに
むねをおしあて
まさぐるように
おたがいもとめ
べっどのうえで
しーつにもぐり
あさはおんどの
ちがいにおどろき
まぶしいひかりを
ふりかけあって
いたずらをして
はがたをつける
ありえないこと
ありえない
あなたとわたしは
ただのしりあい
どこまでいっても
もうそうのなか
あなたとわたし
たのしくこいする
こどうがどきどき
はちきれそうで
みつめあうと
えがおになって
いっしょにあるく
まえにうしろに
いきするときも
おもいがあふれ
かいさつぐちで
えきのほーむで
しんやのみちで
おわかれのきす
すぐまたあって
さいかいのきす
ぐるぐるまわる
まいにちげんき
びょうきになっても
まぶたのうらに
こいするひとを
とうじょうさせて
あまえてでんわ
のどがかれても
かんせつつうが
ひとごとのよう
じぶんはうまれ
かわったようで
やまいもなにも
かんけいなくて
ただただあいの
しろっぷをすい
いつまでつづく
よかんはむしし
たんじょうせきの
ゆびわをかって
にあいのふくの
このみをしって
いつもいかない
いせいのうりば
いっしょにいって
かっこをつけて
あつくないかと
きづかいあって
さむくないかと
たしかめあって
けんかをしても
それをりようし
もっとなかよく
ないたりしても
やさしさみせて
なぐさめあって
はだかのむねに
むねをおしあて
まさぐるように
おたがいもとめ
べっどのうえで
しーつにもぐり
あさはおんどの
ちがいにおどろき
まぶしいひかりを
ふりかけあって
いたずらをして
はがたをつける
ありえないこと
ありえない
あなたとわたしは
ただのしりあい
どこまでいっても
もうそうのなか
2011年8月10日水曜日
シンプルな木の額のなかに
誰にも理解されないと
泣いているあなた
なぜ泣いているのか
分からないと言っている私
それを見ている
空
それを聴いている
海
みんな
別々のようで
みんな
一緒のようで
昼下がりに訪れた
見知らぬ田舎町の
古い家の
玄関から
少し入ったところの
白い壁に掛かっていた
シンプルな木の額のなかに
収まっている
一枚の写真の中にいるようで
泣いているあなた
なぜ泣いているのか
分からないと言っている私
それを見ている
空
それを聴いている
海
みんな
別々のようで
みんな
一緒のようで
昼下がりに訪れた
見知らぬ田舎町の
古い家の
玄関から
少し入ったところの
白い壁に掛かっていた
シンプルな木の額のなかに
収まっている
一枚の写真の中にいるようで
2011年8月9日火曜日
あなたが歩く速度は私と違う 〜ある夏の日に〜
フロリダアイスコーヒーのグラスが
汗をかいている
となりで
氷水のグラスも
汗をかいている
さっきまで汗をかいていた
あなた と わたしは
汗をかいたグラスを
それぞれ
反対側から見つめている
氷がゆっくり
溶けていくと
時間が過ぎているのが分かる
この速度は
いったい
誰が決めているのだろう
仕事好きの神様だろうか
あなたが
歩く速度は
私が歩く速度と
違っていて
そのため
ふたりで歩くと
どこかぎこちない
その
ぎこちなさは
何を宿しているのだろう
あなたとふたりで
探求してみたい
時々
歩くのをやめ
同じ速さて
止(とど)まって
汗をかいている
となりで
氷水のグラスも
汗をかいている
さっきまで汗をかいていた
あなた と わたしは
汗をかいたグラスを
それぞれ
反対側から見つめている
氷がゆっくり
溶けていくと
時間が過ぎているのが分かる
この速度は
いったい
誰が決めているのだろう
仕事好きの神様だろうか
あなたが
歩く速度は
私が歩く速度と
違っていて
そのため
ふたりで歩くと
どこかぎこちない
その
ぎこちなさは
何を宿しているのだろう
あなたとふたりで
探求してみたい
時々
歩くのをやめ
同じ速さて
止(とど)まって
2011年8月8日月曜日
松に木の枝の葉に 『松の木の下で』に寄せて
御徒町凧さんへのオマージュ
松の木の枝の葉の間を吹く風は
尖っているだろうか
日差しの糸が幾重にも絡みついて
ザラザラしていて
円錐の底面を貼り合わせた形となっている
吹き方は流し素麺が
乱れ飛ぶ感じだ
松の木の枝の下で
松ぼっくりと栗鼠のことを
考えると
風が一層強まって
吹き飛ばそうとする
吹き飛ばされるのは
私の蛇のような邪念だ
栗鼠は木陰に身を寄せ
松の木は
金箔の夕日を背負って
見得を切ろうとしている
私は家路ににつく
この松林の上空にそびえる
都市を
緑に染めようと
虎視眈々と狙っている
詩人たちの姿を
羨望の視線で見やる
松の木の枝の葉の間を吹く風は
尖っているだろうか
日差しの糸が幾重にも絡みついて
ザラザラしていて
円錐の底面を貼り合わせた形となっている
吹き方は流し素麺が
乱れ飛ぶ感じだ
松の木の枝の下で
松ぼっくりと栗鼠のことを
考えると
風が一層強まって
吹き飛ばそうとする
吹き飛ばされるのは
私の蛇のような邪念だ
栗鼠は木陰に身を寄せ
松の木は
金箔の夕日を背負って
見得を切ろうとしている
私は家路ににつく
この松林の上空にそびえる
都市を
緑に染めようと
虎視眈々と狙っている
詩人たちの姿を
羨望の視線で見やる
2011年8月7日日曜日
好きなケーキ
好きなケーキがえらべる
そんなことが
お金があれば可能だ
その場で楽しんでも
お持ち帰りにしてもいい
ケーキに気持ちをきく必要はない
こちら側の気持ち次第で
あちら側には拒否権はないのだ
ついでににいえば
ケーキを作った人の気持ちも無視していい
わたくしの素性も
関係がない
ショーケースに並んでいる限り
わたくしには
それを買い求め
我がものとすることができる
うっすらと汗をかいている
美しいケーキ
寒天が光り
リキュールとフルーツが香っている
毎日食べたい
いつも傍においておきたい
あなたと過ごす時間を
永遠に楽しみたい
他人に買い求められる前に
目当てのケーキを買い求めなければ
背中にひんやり刃(やいば)のような感覚が降りてゆく
そんなことが
お金があれば可能だ
その場で楽しんでも
お持ち帰りにしてもいい
ケーキに気持ちをきく必要はない
こちら側の気持ち次第で
あちら側には拒否権はないのだ
ついでににいえば
ケーキを作った人の気持ちも無視していい
わたくしの素性も
関係がない
ショーケースに並んでいる限り
わたくしには
それを買い求め
我がものとすることができる
うっすらと汗をかいている
美しいケーキ
寒天が光り
リキュールとフルーツが香っている
毎日食べたい
いつも傍においておきたい
あなたと過ごす時間を
永遠に楽しみたい
他人に買い求められる前に
目当てのケーキを買い求めなければ
背中にひんやり刃(やいば)のような感覚が降りてゆく
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