泣く泣く僕も空を見る
というフレーズが
空に消えて行く
消えて
なくなってしまえ
いらないものから逆に見捨てられ
しがみつく
何々のように
と比喩を言って受け流すのは
止めにしたら
まとまる筈ないよ
デスクトップは狭いんだから
それに何世代も前の年代物
大事にしたってたかが知れている
広い空にならすてられる
やり直した人生の失敗作だって
これからの未来だって
2010年10月24日日曜日
2010年10月23日土曜日
とてもいいわ
(とてもいいわ
そう言われて
舞い上がった
(とても素敵
あっ、また、ほめられた
ナマでこう言われるのはいい
短いヒトコトなのに
地球だって持ち上がりそうだ
(なんでもできるね
そんなことないけど
そんな気さえしてくる
(ひとりでなんでもできるよ
(あなたひとりで
そう言われて
舞い上がった
(とても素敵
あっ、また、ほめられた
ナマでこう言われるのはいい
短いヒトコトなのに
地球だって持ち上がりそうだ
(なんでもできるね
そんなことないけど
そんな気さえしてくる
(ひとりでなんでもできるよ
(あなたひとりで
2010年10月22日金曜日
花びら
小峰が大事にしている花
ベランダで咲いている綺麗な花
いつだったかてんとう虫が茎を登っていった
きっとその細い足に
水の流れを感じていたのだろう
小峰は別の流れを感じていた
花びらを染める鮮やかな色の流れだ
茎を伝わるうちに
見る見る変化していくその色は
花托に到達すると同時に
その花びらの色となる
そんなことは理科の時間には
習わなかったけど
小峰はそう信じていた
何かを思い
合わせて握られた手のひらの中で
息づいていた
小峰の思い
しっとりと熱い
愛のような
愛でない なにかのような
ベランダで咲いている綺麗な花
いつだったかてんとう虫が茎を登っていった
きっとその細い足に
水の流れを感じていたのだろう
小峰は別の流れを感じていた
花びらを染める鮮やかな色の流れだ
茎を伝わるうちに
見る見る変化していくその色は
花托に到達すると同時に
その花びらの色となる
そんなことは理科の時間には
習わなかったけど
小峰はそう信じていた
何かを思い
合わせて握られた手のひらの中で
息づいていた
小峰の思い
しっとりと熱い
愛のような
愛でない なにかのような
2010年10月18日月曜日
塀の向こう
ぴにょーん ぴにょーん
おまちかね
またまたやってまいりました
ぴにょーん
トランポリンは良い道具です
塀の向こうがよく見える
新しい塀 古い塀
垣根も 白壁も 砂壁も
勢いつけて ひとっ跳びです
ぴにょーん
自分の体の重さだけを使って
気になるあのひとの 塀の向こう
プライバシーだって
勝手気ままにのぞき見します
それはダメダメ
イケないこと
なんて言わないで
深いわけがあるのですから
それは人を助けるためなのですから
ぴにょーん と跳ぶと
塀の向こう 芝生が見える
家が見える
中では君が倒れている
わたしは
ぴにょーん
それを発見して
救急車を呼ぶ
病院に連れて行く
ピーポー ピーポー
ピニョン ピニョン
ピーポー ピーポー
おまちかね
またまたやってまいります
お邪魔でしょうか
塀をこえたら
よくないですか
おまちかね
またまたやってまいりました
ぴにょーん
トランポリンは良い道具です
塀の向こうがよく見える
新しい塀 古い塀
垣根も 白壁も 砂壁も
勢いつけて ひとっ跳びです
ぴにょーん
自分の体の重さだけを使って
気になるあのひとの 塀の向こう
プライバシーだって
勝手気ままにのぞき見します
それはダメダメ
イケないこと
なんて言わないで
深いわけがあるのですから
それは人を助けるためなのですから
ぴにょーん と跳ぶと
塀の向こう 芝生が見える
家が見える
中では君が倒れている
わたしは
ぴにょーん
それを発見して
救急車を呼ぶ
病院に連れて行く
ピーポー ピーポー
ピニョン ピニョン
ピーポー ピーポー
おまちかね
またまたやってまいります
お邪魔でしょうか
塀をこえたら
よくないですか
2010年10月17日日曜日
無関係な自分
睡眠障害になりたくなかったので
気にしないことにした
朝と夜がどう過ぎようと
眠気や気だるさがいつ襲って来ようと
僕とは無関係
ということにした
毎日同じ夢も見るし
さまざまなバリエーションの怖い夢も見るので
それに
起きていても厄介な妄想や気分の抑揚が激しいので
僕は無関係
ということにした
僕のことは僕には無関係
僕は日記にそう記し
関係ない僕に時々日記を書かせた
詩を担当している僕は
僕を現実の社会に連れ出そうとする
しかし無関係な僕はそれを夢の中のこととして始末しようとする
僕は怒り僕を問いただす
しかし僕は答えず
反対に質問をしてくるありさま
僕は途方に暮れてあきらめる
僕は何を思い何をしようとしているのか
僕はだれに頼まれて僕を運営しているのか
そうして
疑問は置き去りにして
時間が流れたり逆流したりして転がっていく
時計が転がっているのではなく
中身の針やら数字やらがまわっているだけなのだ
きっとそうなのだ
気にしないことにした
朝と夜がどう過ぎようと
眠気や気だるさがいつ襲って来ようと
僕とは無関係
ということにした
毎日同じ夢も見るし
さまざまなバリエーションの怖い夢も見るので
それに
起きていても厄介な妄想や気分の抑揚が激しいので
僕は無関係
ということにした
僕のことは僕には無関係
僕は日記にそう記し
関係ない僕に時々日記を書かせた
詩を担当している僕は
僕を現実の社会に連れ出そうとする
しかし無関係な僕はそれを夢の中のこととして始末しようとする
僕は怒り僕を問いただす
しかし僕は答えず
反対に質問をしてくるありさま
僕は途方に暮れてあきらめる
僕は何を思い何をしようとしているのか
僕はだれに頼まれて僕を運営しているのか
そうして
疑問は置き去りにして
時間が流れたり逆流したりして転がっていく
時計が転がっているのではなく
中身の針やら数字やらがまわっているだけなのだ
きっとそうなのだ
2010年10月12日火曜日
煮え切らない思い
煮え切らない思いをかかえたまま
旅に出る
思いは煮詰まってゆき
やがて新しい思いが現れる
しかしすぐに それは煮え切らない思いに変わる
煮え切らない思いをかかえたまま
部屋へ帰る
思いは煮詰まってゆき
やがて新しい思いが現れる
しかしすぐに それは煮え切らない思いに変わる
煮え切らない思いをかかえたまま
旅に出る
思いは煮詰まってゆき
やがて新しい思いが現れる
しかしすぐに それは煮え切らない思いに変わる
旅に出る
思いは煮詰まってゆき
やがて新しい思いが現れる
しかしすぐに それは煮え切らない思いに変わる
煮え切らない思いをかかえたまま
部屋へ帰る
思いは煮詰まってゆき
やがて新しい思いが現れる
しかしすぐに それは煮え切らない思いに変わる
煮え切らない思いをかかえたまま
旅に出る
思いは煮詰まってゆき
やがて新しい思いが現れる
しかしすぐに それは煮え切らない思いに変わる
2010年10月10日日曜日
しましまの(パールホワイト)
しましまのよる
うずまきのもちーふ
しるくのしーつ
するするするつーる
ぴかぴかのかーぶ
りっしんべんのべんつ
つきあかりのりんく
すべすべするちーく
すりすりしてたーん
うずまきのもちーふ
しるくのしーつ
するするするつーる
ぴかぴかのかーぶ
りっしんべんのべんつ
つきあかりのりんく
すべすべするちーく
すりすりしてたーん
2010年10月6日水曜日
月見
僕は45歳
もうすぐ46歳
毎年一つずつ年齢が上がってきた
僕のうち
どれだけが昔の僕なのかわからない
細胞としては
もうすべて入れ替わってしまっているだろうから
勝手にバトンタッチして
僕の存在を守ってきたのだろう
それが余計なことかどうか
そう問われれば 余計だと言いたくなる
けれどそう言ったところで
これからも今までと変わりなく
細胞は再生し
自分は守られていくのだろう
細胞を誰かに明け渡そうとしたこともない
僕は生れてから45年と11カ月
それを秒でいうなら……どこかのサイトで便利に計算できるはずだが
僕の元となった精子や卵子はもっとまえに生まれた訳だし
さかのぼれば何億年生きてきたことやら
へその緒が懐かしい
今まで僕につながってきたへその緒を全部つないだら地球を一周するだろうか
これじゃ長すぎて縄跳びさえできないね
いや ひょっとしたらした奴がいるかもしれないけど だれか調べられないか?
僕が愛した人数十人 いや数百人かもしれない
なぜ愛したかわかる人 数人
愛とは何かわかる人 ???
僕の今の立場
ホームレスに親近感を覚える
ちょっと孤高を気取る
サラリーマンにして自由人にして見栄っ張り
夢追い人で一風変わったメタボレーゼ
過去に出した自分の詩集 10冊ぐらい
書いた詩の数 1000ぐらい
これから書く詩の数 1年に400×(死ぬまでの年数-5)+50くらい
昔好きで今も好きな女性 あり
今好きで昔嫌いだった女性 なし
小学校の先生に結婚すると予測された年 45
予測された相手の年齢 うんと若い
実際 兆候なし
趣味 実益を兼ねるもの
本当の趣味 実益を兼ねないもの
家族 父が2年前に他界 その他は健在
自分 不健全であるが健在
モットー 正直に明るくひとが喜ぶことを
生活方針 先送りしない(なるべく)
実際 ほとんど先送り
夢 夢を持ち続け追いかけること
使命 信じてくれた人を幸せに
住居 アパートの2階
若葉コーポ
昔から若葉は好きでした
今日の夜ごはん パン、ハム、バター(バター成分が30%のマーガリン)
好きなこと 好きな女性と交際 旅行 デジカメで撮影(自分撮りを含む)
仕事 一生懸命頑張ってやっていた ※大事なものを守れなかった経験あり
きょうは一人で秋を感じるお祭りの日にした
帰ってきてから
1パック105円の団子を窓辺に置いて
ススキ代わりのグアムのまじない人形を飾り
空を見上げた
そこに月があってもなくてもよかった
何度も観てきた月を思い出して 空に重ねることができるから
細胞の記憶をたどれば
愛する人の網膜にも入ることができそうな気がした
そうすることで
自分の思いの波にも乗ることができそうで
それで祭りは盛り上がれそうで
この詩をアップしたら下↓のような広告が出た。びっくり。
もうすぐ46歳
毎年一つずつ年齢が上がってきた
僕のうち
どれだけが昔の僕なのかわからない
細胞としては
もうすべて入れ替わってしまっているだろうから
勝手にバトンタッチして
僕の存在を守ってきたのだろう
それが余計なことかどうか
そう問われれば 余計だと言いたくなる
けれどそう言ったところで
これからも今までと変わりなく
細胞は再生し
自分は守られていくのだろう
細胞を誰かに明け渡そうとしたこともない
僕は生れてから45年と11カ月
それを秒でいうなら……どこかのサイトで便利に計算できるはずだが
僕の元となった精子や卵子はもっとまえに生まれた訳だし
さかのぼれば何億年生きてきたことやら
へその緒が懐かしい
今まで僕につながってきたへその緒を全部つないだら地球を一周するだろうか
これじゃ長すぎて縄跳びさえできないね
いや ひょっとしたらした奴がいるかもしれないけど だれか調べられないか?
僕が愛した人数十人 いや数百人かもしれない
なぜ愛したかわかる人 数人
愛とは何かわかる人 ???
僕の今の立場
ホームレスに親近感を覚える
ちょっと孤高を気取る
サラリーマンにして自由人にして見栄っ張り
夢追い人で一風変わったメタボレーゼ
過去に出した自分の詩集 10冊ぐらい
書いた詩の数 1000ぐらい
これから書く詩の数 1年に400×(死ぬまでの年数-5)+50くらい
昔好きで今も好きな女性 あり
今好きで昔嫌いだった女性 なし
小学校の先生に結婚すると予測された年 45
予測された相手の年齢 うんと若い
実際 兆候なし
趣味 実益を兼ねるもの
本当の趣味 実益を兼ねないもの
家族 父が2年前に他界 その他は健在
自分 不健全であるが健在
モットー 正直に明るくひとが喜ぶことを
生活方針 先送りしない(なるべく)
実際 ほとんど先送り
夢 夢を持ち続け追いかけること
使命 信じてくれた人を幸せに
住居 アパートの2階
若葉コーポ
昔から若葉は好きでした
今日の夜ごはん パン、ハム、バター(バター成分が30%のマーガリン)
好きなこと 好きな女性と交際 旅行 デジカメで撮影(自分撮りを含む)
仕事 一生懸命頑張ってやっていた ※大事なものを守れなかった経験あり
きょうは一人で秋を感じるお祭りの日にした
帰ってきてから
1パック105円の団子を窓辺に置いて
ススキ代わりのグアムのまじない人形を飾り
空を見上げた
そこに月があってもなくてもよかった
何度も観てきた月を思い出して 空に重ねることができるから
細胞の記憶をたどれば
愛する人の網膜にも入ることができそうな気がした
そうすることで
自分の思いの波にも乗ることができそうで
それで祭りは盛り上がれそうで
この詩をアップしたら下↓のような広告が出た。びっくり。
聖心再生医療センター 将来の疾患や若返り治療に向けて 自分の細胞を凍結保管 |
2010年9月29日水曜日
日記のように詩を書き、このブログに掲載しています。誰かに読んでもらおうというものではく、ほとんど自分のために書いていますが、偶然に通りかかった人が立ち寄ってくれ、常連のようになりつつある人もいて、それはそれで張り合いがあってうれしく、その少ない読者に感謝しています。しかし、「広報活動」をして、もっと多くの読者を獲得しようとは思っていません。少ないのがちょうどいいのです。
詩をかく楽しさとは別に、毎日は苦闘しています。また、詩を書くことが、その苦闘をより鮮明にしているとも思えます。冬の寒さが夕日のあたたかさを教えてくれるように、詩と日常は別の場所にあって、詩は苦闘のありかを照らしています。苦闘ははやく過ぎ去ればいいのですが。
詩をかく楽しさとは別に、毎日は苦闘しています。また、詩を書くことが、その苦闘をより鮮明にしているとも思えます。冬の寒さが夕日のあたたかさを教えてくれるように、詩と日常は別の場所にあって、詩は苦闘のありかを照らしています。苦闘ははやく過ぎ去ればいいのですが。
2010年9月25日土曜日
眠っている小峰
小峰が眠っている
眠っている小峰は
どこか別の世界に 何かをしに行ってしまったようだ
ここにいない 小峰の 眠っている姿は
いつまでも見ていたいほど いい
小峰は寝息一つ立てずに静寂を保っていて
それは 最後の一葉をおとさないように という比喩がしっくりくるように思える
小峰を守るものは何もないが
世界中の善良な魂が みんなで小峰を守っているということが
なぜだか はっきりと判る
小峰は 薄く やわらかい色の 衣服をまとっているが
衣服の隙間から 肌を見せている
その肌は かすかに産毛が光っていて
赤ん坊の時と きっと ほとんど変わりがないのだ
小峰の閉じられた瞳は 美しく 小鹿のようなので
だから時折 小鹿がのぞきに来る
小峰は 2本の腕を持ち
手のひらは 5つに分かれている
その手のひらが いつだったか もみじを持って 写真におさまっていた
その光景は 紅葉と手のひらの境界を危うくするような事件だった
小峰は いつ 目覚めるのだろう
唇が 季節の風に 少し乾き
そのわずかな不快に 目を覚ますのだろうか
それとも どこからか飛んできた 綿毛の気配を感じて だろうか
こわれそうで やわらかい 小峰
父母から生まれ でも 誰のものでもない小峰は
いつか 自分を誰かに差し出すのだろうか
リボンを巻いた プレゼントと一緒に
瞳に笑みさえ 浮かべて
眠っている小峰は
どこか別の世界に 何かをしに行ってしまったようだ
ここにいない 小峰の 眠っている姿は
いつまでも見ていたいほど いい
小峰は寝息一つ立てずに静寂を保っていて
それは 最後の一葉をおとさないように という比喩がしっくりくるように思える
小峰を守るものは何もないが
世界中の善良な魂が みんなで小峰を守っているということが
なぜだか はっきりと判る
小峰は 薄く やわらかい色の 衣服をまとっているが
衣服の隙間から 肌を見せている
その肌は かすかに産毛が光っていて
赤ん坊の時と きっと ほとんど変わりがないのだ
小峰の閉じられた瞳は 美しく 小鹿のようなので
だから時折 小鹿がのぞきに来る
小峰は 2本の腕を持ち
手のひらは 5つに分かれている
その手のひらが いつだったか もみじを持って 写真におさまっていた
その光景は 紅葉と手のひらの境界を危うくするような事件だった
小峰は いつ 目覚めるのだろう
唇が 季節の風に 少し乾き
そのわずかな不快に 目を覚ますのだろうか
それとも どこからか飛んできた 綿毛の気配を感じて だろうか
こわれそうで やわらかい 小峰
父母から生まれ でも 誰のものでもない小峰は
いつか 自分を誰かに差し出すのだろうか
リボンを巻いた プレゼントと一緒に
瞳に笑みさえ 浮かべて
2010年9月24日金曜日
錆びたポスト
おいてけぼりにした錆びたポスト
あの家と一緒に
ドングリの木の傍らの
引き抜かれた門柱の奥
草花の咲く庭の向こう側
電信柱の間のへいの向こう側
小さな公園の隣
家路につく足跡が聴こえ
風に流されてきた線路の音が籠る場所
花火大会が屋根越しに見える
カレーの香りが漂い
剣道に出かける少年が飛び出す
落ち葉の中で焼き芋が作られる
その家
外壁に張り付いたポスト
古くて錆びたポスト
いまはもう どこにもないポスト
あの家と一緒に
ドングリの木の傍らの
引き抜かれた門柱の奥
草花の咲く庭の向こう側
電信柱の間のへいの向こう側
小さな公園の隣
家路につく足跡が聴こえ
風に流されてきた線路の音が籠る場所
花火大会が屋根越しに見える
カレーの香りが漂い
剣道に出かける少年が飛び出す
落ち葉の中で焼き芋が作られる
その家
外壁に張り付いたポスト
古くて錆びたポスト
いまはもう どこにもないポスト
2010年9月22日水曜日
観察
小峰は
山より小さい
大地の
ふくらみ
雨にぬれ
水を吸い
くぼみに
ちいさな水たまりをつくり
人を登らせる
生き物を
這わせる
小峰は
来るものを拒めないのだ
夜
くぼみは
水分を
静かに
蒸発させる
そうすることで
小峰は
平静を
たもてるから
月に照らされた
小峰を
横から見ると
いつもと違う
感じがした
山より小さい
大地の
ふくらみ
雨にぬれ
水を吸い
くぼみに
ちいさな水たまりをつくり
人を登らせる
生き物を
這わせる
小峰は
来るものを拒めないのだ
夜
くぼみは
水分を
静かに
蒸発させる
そうすることで
小峰は
平静を
たもてるから
月に照らされた
小峰を
横から見ると
いつもと違う
感じがした
2010年9月15日水曜日
30円のコーヒーチケット
金券ショップでチケットを買う
120円のコーヒーチケットが
とても安くて1枚30円
ぼくは迷わず「5枚」と云った
1枚30円で買ったコーヒーチケット
1枚目は新宿の店
ノートを広げて思いついたことをメモ
やらなければならないことを箇条書き
今日しなければならないことは
今日なんとかし終えた
明日は明日しなければならないことをする
あさってしなければならないことは
あさってすることに決めた
1枚30円で買ったコーヒーチケット
2枚目は赤坂の店
15人ほどの人間が思い思いに
それぞれ時間を過ごしている
誰もがしなければならないことを
両手いっぱい抱えている
締め切りに追われて生きている人がいる
ノルマに縛られ一生懸命
自分を逃す道を探す人も
1枚30円で買ったコーヒーチケット
3枚目は大宮の店
将来のこと考えれば考えるほど
ぼやけてきてしまうのはなぜか
友達に聞いても同じ問いが
返ってくるだけだから
いつのまにか問うことの代わりに
紛らわすことがうまくなった
自分を責めて苦笑して
1枚30円で買ったコーヒーチケット
4枚目は仙台の店
高速バスで早朝の街に着くと
街が目覚めるまでまだもう少し
気だるさと懐かしさを傍らに
過ぎ去った人を思う
同じ場所で朝のコーヒーを飲み
夢見ていた愛の生活
この場所は変わらないまま
1枚30円で買ったコーヒーチケット
5枚目は待ち合わせ
手を小さく振って近づいてきたのは
さよならをし忘れたからですか
そんな意地悪言っても
笑いあえる不思議
ぼくは30円でここにいるけれど
君の分のチケット買い忘れた
あと一枚買えばよかった
120円のコーヒーチケットが
とても安くて1枚30円
ぼくは迷わず「5枚」と云った
1枚30円で買ったコーヒーチケット
1枚目は新宿の店
ノートを広げて思いついたことをメモ
やらなければならないことを箇条書き
今日しなければならないことは
今日なんとかし終えた
明日は明日しなければならないことをする
あさってしなければならないことは
あさってすることに決めた
1枚30円で買ったコーヒーチケット
2枚目は赤坂の店
15人ほどの人間が思い思いに
それぞれ時間を過ごしている
誰もがしなければならないことを
両手いっぱい抱えている
締め切りに追われて生きている人がいる
ノルマに縛られ一生懸命
自分を逃す道を探す人も
1枚30円で買ったコーヒーチケット
3枚目は大宮の店
将来のこと考えれば考えるほど
ぼやけてきてしまうのはなぜか
友達に聞いても同じ問いが
返ってくるだけだから
いつのまにか問うことの代わりに
紛らわすことがうまくなった
自分を責めて苦笑して
1枚30円で買ったコーヒーチケット
4枚目は仙台の店
高速バスで早朝の街に着くと
街が目覚めるまでまだもう少し
気だるさと懐かしさを傍らに
過ぎ去った人を思う
同じ場所で朝のコーヒーを飲み
夢見ていた愛の生活
この場所は変わらないまま
1枚30円で買ったコーヒーチケット
5枚目は待ち合わせ
手を小さく振って近づいてきたのは
さよならをし忘れたからですか
そんな意地悪言っても
笑いあえる不思議
ぼくは30円でここにいるけれど
君の分のチケット買い忘れた
あと一枚買えばよかった
2010年9月12日日曜日
区別がつかない
毎日 日付変更線がこの身の上を通り過ぎていくのに
通り過ぎでしばらくすると もう
境界線は 溶けてなくなってしまう
初めてそのひとと会った夏の終り
スキー場の斜面に無数に咲き誇るコスモスが
風に揺れていたけれど
その風が
その日が
どんな境界線で区切られているかは
判然としない
コスモスの中に
そのひとはいたけれど
いま そのひとはどこにいて
何をしているのか
その輪郭さえ
とらえることができない
幻と夢の間に
夕日が落ちて
思い出へと誘う
誘っているのが
誰なのか
判然としない
通り過ぎでしばらくすると もう
境界線は 溶けてなくなってしまう
初めてそのひとと会った夏の終り
スキー場の斜面に無数に咲き誇るコスモスが
風に揺れていたけれど
その風が
その日が
どんな境界線で区切られているかは
判然としない
コスモスの中に
そのひとはいたけれど
いま そのひとはどこにいて
何をしているのか
その輪郭さえ
とらえることができない
幻と夢の間に
夕日が落ちて
思い出へと誘う
誘っているのが
誰なのか
判然としない
2010年9月8日水曜日
傷心
道の端っこをしよんぼり歩くことを許してくれないか、世界さん。
こんな蒸し暑い月のない夜だから、
逃げ帰る自分の影も薄く、
存在をより薄くしてくれるから、
戯言や愚痴を言うことを許してくれないか、世界さん。
世界の友達さん。
見えないところにいる知り合いの皆さん
どうか気付かないで。ね。
僕のことに。
世界さん、いつか
懺悔してみましょう。
僕が立ったところが
自分と世界の交わる中心だと
大手を振っていえる日に。
今は、そのことに堪えられないから
道の端っこを進みます。
小さな自分のアパートに向かって。
小さな虫が鳴いているその上空を。
こんな蒸し暑い月のない夜だから、
逃げ帰る自分の影も薄く、
存在をより薄くしてくれるから、
戯言や愚痴を言うことを許してくれないか、世界さん。
世界の友達さん。
見えないところにいる知り合いの皆さん
どうか気付かないで。ね。
僕のことに。
世界さん、いつか
懺悔してみましょう。
僕が立ったところが
自分と世界の交わる中心だと
大手を振っていえる日に。
今は、そのことに堪えられないから
道の端っこを進みます。
小さな自分のアパートに向かって。
小さな虫が鳴いているその上空を。
2010年9月4日土曜日
2010年9月2日木曜日
毎日首つり
目を覚ますとき
毎日首がつられる
硬いロープで
喉を締め付けられて
気が遠くなる勢いで
目を覚ます
それでも
目覚まし時計で起きるよりは
自分らしい
と思う
眠るときは
馴れない手漕ぎボートで
小さな波を超えていく
目的地は見えず
永遠に近づけない
虚しさの重みで
沈んでいく
毎日首がつられる
硬いロープで
喉を締め付けられて
気が遠くなる勢いで
目を覚ます
それでも
目覚まし時計で起きるよりは
自分らしい
と思う
眠るときは
馴れない手漕ぎボートで
小さな波を超えていく
目的地は見えず
永遠に近づけない
虚しさの重みで
沈んでいく
2010年8月31日火曜日
月見だんごの夢
小さなものが集まり支えあって
ひとつの世界をつくっている。
ひとつのだんごは
世界にとって
なんの役割り?
どう機能してているのかわからないけれど、
月夜のひとつのだんごは
毅然としてうつくしく
存在感に満ちている
寄り集まって重なり合い
何に向かってものを言おうとしているのか
月、
ススキ、
縁側、
兎、
たまに吹いてくる風
宇宙と交信する
エネルギーの玉?
ぼくは何を言おう。
夢に見たその白い球を
ひとつ手にして
あなたに
何を伝えよう
ひとつの世界をつくっている。
ひとつのだんごは
世界にとって
なんの役割り?
どう機能してているのかわからないけれど、
月夜のひとつのだんごは
毅然としてうつくしく
存在感に満ちている
寄り集まって重なり合い
何に向かってものを言おうとしているのか
月、
ススキ、
縁側、
兎、
たまに吹いてくる風
宇宙と交信する
エネルギーの玉?
ぼくは何を言おう。
夢に見たその白い球を
ひとつ手にして
あなたに
何を伝えよう
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