2013年11月3日日曜日

庭に幾つもの蚊取り線香がたっついる

庭に幾つもの蚊取り線香がたっている
あれは誰の庭だったのか、誰に聞いてもわからない
水銀灯の光で青く浮かび上がる庭石、芝生の緑
錆びかけたブランコ
背の高さほどの柿の木
まかれて蛇口のそばに置かれているビニールのホース
どんな時が過ぎようとも放っておかれているのは
過ぎていこうとする時自身
ここでは人ではなく
時が旅人であることが
よくわかるのだ

1 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2013年11月4日 0:07

    現実に近い虚構の庭は、
    誰の庭だかわからないままにして
    逃げ込む場所にとっておいたら?

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