2012年3月15日木曜日

夜は友だち

あなたが一人でいる時
密やかな気配を感じたことがあるだろうか

それは
あなたに寄り添う
夜という友だち

星の衣装を纏って
あなたの隣にひっそりと座っている

部屋が明るい時
あなたは友だちがいることに気づかない
明かりを消して
薄暗がりをボーッと眺めていると
その
気配と共に
友だちの姿は見えてくる

先に挨拶してくるのは
決まってその友だちの方だ
あなたは
いつも忘れてしまうが
その友だちは
決して怒ったりはしない

だから
たまにでいいから
哀しみを抱いて
部屋のドアを開けて
帰ってきて欲しいのだ

それは
ちっとも哀しいことではないと
知ることができるし
それによって
あなたはまた
友だちの元を離れて
強く生きていくことができるのだから

1 件のコメント:

  1. 一人ぼっちになると、会えるのですね。
    夜という友達に。

    心が元気なときには忘れてしまう、
    大切な友達に。

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