2013年7月31日水曜日

すき な こ を


すき な こ から
でんわ が かかって きた
けど
でなかった

でたい きもち が
くるしがって いた

すき な こ が
こまった かお してた
けど
ほっといた

どうしたの って
いえなかった

すき な こ を
げっと する ために
つよく なれ
かっこよく いきろ

こわい かお を して
じっと かんがえた
かんがえてる
いま

2013年7月30日火曜日

キャンドルの ひ が ゆれて

キャンドルの ひ が ゆれて
かげ が いっしょに ゆれて
たぶんね
ここには うらぎり は ない

キャンドルの ひ が いざなう
キャンドルの むこう の せかい へ

キャンドルの ひ が てらす
かくしきれない やみ を

やみ は
やみのまま いられない と
ひかり と て を つなぐ

キャンドルの ひ が きえよう と
なにか と そうだん する

わたし は みてみぬふり を きめこみ
ためいき で ふきけす

2013年7月29日月曜日

とんぼ


とんぼ は
どこから やってくる?

いえいえ
とんぼ は さきに いた

とんぼ は ひとが
いないころ
そらから ここに おりてきて
ひとが くるのを
まって いた

とんぼ は
どこへ きえてゆく?

いえいえ 
とんぼ は きえません

とんぼ は ふゆが
くるまえに
いのちを つなぎ つうつう と
かれはと いっしょに
いきました

そらの たかみへ
いきました

2013年7月28日日曜日

ついてゆく

つき が ついてくる
ぼくが のってる
じどうしゃの よこ を とんで
ついてくる

みているから ついてくるの?
みていなくても ついてくるよ




ぼくは ついてゆく
ゆうひ が しずむ そらへ
き と きの あいだ とおって
ついてゆく

だれかに あいに ついてゆくの?
だれかに あえなくても ついてゆくよ

2013年7月27日土曜日

おこってない


おうまさんが ころんだ
おうまさんが ころんだ

まちがっている?

おうまさんが ころんだ
おうまさんが ころんだ

まちがっていない。

おうまさんが ころんだ
だるまさんは
あかくなって

おこっているの?

おこってないよ

2013年7月26日金曜日

かくそうと する ひと


かくそうと する と
なにを かくそうと して いるのか
きになって しかたがない

でも ひとは なぜか
かくすこと を やめず
しられたく ない もの や
みられたく ない もの を
ひっし に
かくそうと する

かくされた もの は
かくしたい ひと が
なぜ かくしたのか わからなくて
? の ような かお をして
いつか
こたえを おしえて くれる ひとが
みつけてくれるのを まっている

かお を きらきら させて
まって いる

2013年7月25日木曜日

ダラダラする大人を

ダラダラする大人を
子どもが一喝してくれた

楽器を打ち鳴らして
大きなこえをあげて

迷っている大人を
子どもが笑いとばした

みんなで声を合わせて
思い思いに大騒ぎして

2013年7月24日水曜日

しまうま だらけ

しまうま だらけ
いえ の なか
しまうま だらけ
なんでかな

しまうま だらけ
でかけなきゃ
しまうま ゆったり
しらんかお

しまうま だらけ
ふえていく
しまうま あかちゃん
うむのかな

しまうま だらけ
ちきゅうじょう
しまうま
ひと を ほろぼすの?

2013年7月23日火曜日

なにもしらない ひと

わたし に むかって
わらう ひと

わたし は あなた の
わらいがお が すき
なきがお も すき
こまった かお も
おこった かお も すき

あなた に むかって
はなしかけている わたし
あなた の こと を
なにもしらない わたし

2013年7月22日月曜日

便乗目覚め

遠慮しないで
目覚めていいよ

目覚めの時を迎えたきみ
自分の気持ちに驚いている

私は
きみの目覚めに便乗して
目覚めようとしている
すすけたオトナ

ダイアモンドが炭素だと
言い訳しても許してください

2013年7月21日日曜日

えらぶ


えらぶ のは むずかしい
どっちも おなじくらい すきで きらい だから
きぶんで いつも ちがうから

えらぼう と すると 
ふだん の じぶんでは なくなるから
うまく えらべない
えらんだ あとに いつまでも かんがえる

わたし うまれる ときも
えらんだ の だろうか

うまれるか どうか
どこの どの おかあさんから うまれるか

おかあさん に きいても
おかあさん は こたえずに
わらって いる だけ

2013年7月20日土曜日

かみ

かみ を きった
ち は でない
いたくも かゆくも ない
でも ひっぱると
いたいことは しっている

かみ は きられて
どこから どこまでが じぶんだったのか
たまに こんがらがる

きられるのと どうじに
とびうつらないと
じぶん が
む に なってしまうから
ねっこ を たよりに
いきている

かみ は きられた じぶんと
なんども さよなら を くりかえして
そのうち もとの じぶん が ほんものなのか も
わからなく なって しまう

はげになる そのひ まで
つめ を かみながら
ぼく は
かみ の たちばについて
かんがえ つづけなくては いけない

2013年7月19日金曜日

すきま の くうき

すきま には
なにがある?

すきま には
くうき が ある

どんな くうき が ある?

なんとも いえない へんな
くうき が ある

それを きにして さけようと すると
なおさら へんな くうきに なる

2013年7月18日木曜日

るすばん


るすばん は
おとな の きぶん
ひとりで へいき

るすばん は
ひみつ が たくさん
へんなこと やっちゃう

るすばん は
ひとりごと いう
じぶんで きいてる

るすばん は
いつもは いや
たまにだから いい

おみやげ を もらった
ふとん に もぐって
いいきもち

2013年7月17日水曜日

さわわ と かぜ に


ほし も みえない
くらい よる に
さわわ と かぜ に はをゆらす
き に
つき のような みが なっていたこと を
おもいだしました

あかりが ないと
つき のような み も
やみ に まぎれて
みえません

わたし の こころ が
だれにも みえない ように
あなたの こころ も
みえません

ほし も みえない
くらい よる は
めを とじて
さがして います

さわわ と かぜ が はをゆらし
わたし も あわせて ゆれながら

2013年7月16日火曜日

まる


まる は
じぶんが まるく なるために
てを つないでいる のでは ない

まる は さいいしょ から まる だった

まる は まる の なか に
じぶん を つつんでいる のでは ない

まる は ひとに みられて
はじめて まると なる
みられない うちは ただの つながった せん だ

まる は うちがわに ひろばがあるように みえるが
ほんとうは そとがわ の ひろばを かこって いる
このことは ないしょ に しておいて ね

うちがわ だと おもえる ところ が
ほんとうは そとがわ なのである

まる は
いつも だいたい きぶん が いい

だから 
よく いすに すわって にやにや している
ただ
きぶん が どんな ものなのか を
かんがえた ことは ない

2013年7月15日月曜日

ゆめ の なかで

みみず が
ゆめ の なか で
こう いった

「ねえ わたしは なんのために
 いきているの」

みみず は
さびしそうに
からだ を まげて
さきっぽ から
ためいき を ひとつ
はいた

その ためいき は
ちいさかったけれど
ちかくに いた
こおろぎ は それに きづいた

みみず は
かんがえて いた
じぶん は しんだら
だれか が きづいて くれるだろうか 
だれか が かなしんで ないて くれるだろか と

わたし の ゆめ の なかで
みみず は いつまでも かんがえこんで
だまって しまった
ずっと しずかに 
うごきも しないで

2013年7月14日日曜日

げた の すず


げた の すず が
したで なる
だいじょうぶ か
だいじょうぶ だよ

げた の すずが
ころり ころり と わらう
おかしい ね
おかしい よ

げた の すず
した の ほうで
ひとりで がんばる
かくれて がんばって いる

ゆうひ が おちて
みち に ながい かげを つくる
たちどまり それに みとれる わたし

だまって こえを
かけてくる
すず

さびしいよ
すず

2013年7月13日土曜日

むね の まり


まり が はねて
きみ より うえに
あがって いった

めの たまが まりを おって
わたし の おくちも
まりの ように まるく あいて

まりの なかの くうきが
ちぢんで おしかえして
わたし の むね も
きゅん と なった

おと も なく
みえる こと も なく
きゅん と なった
むね の まり

『ここは花の島』が発売になりました

福島の写真家・野口勝宏さんから毎日送られてくる花の写真に、詩を付け始めて1年1か月、花と詩のコラボレーション作品集として出版されました。
詩が花に負けないように、花が提示してくる世界の広さと多様さ、ひとの心の深さと繊細さを書いてきました。出版社はIBCパブリッシング、2100円です。Amazonで買えます。

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2013年7月12日金曜日

七月十二日

どこか遠いところで
電話が鳴っている

アンパンマンに
お遣いを頼んだが
どこまで行ってしまったのだろう
いつまで待っていても  思っていても
まだ戻ってこない

日本語に裏をかかれてしまったのだろうか
疑問が尋ねてくる
何処かのドアをノックしている

2013年7月11日木曜日

なすがままに

なすがままにみをまかせても
あなたのおくちはおしゃべりだから
いがいとはんげきしているね
そうこなくっちゃ
いきているんだもの

あるがままがいいのだと
あなたはやせがまんしているけれど
もうがまんなどしなくてもいい
あたらしいことが
まっているらしいから

2013年7月10日水曜日

明けない夜



夜明けは来ない
明けない夜はない なんて
嘘っぱちだ
明けない夜は ここにある
明けない夜は
世迷い言を言って
甘い魔法の息を吐く

明けない夜は
ここにある
黒い心を抱えた人が
オメカシして行列を作っている
にやにや嗤いながら
薄い影を落として

明けない夜はない
と 思っていたのは
遠い昔
遠い昔でありながら
ついさっきのことのよう

明けない夜は
朝日から逃げ続けている
明けない夜は朝焼けを受け入れてはいけない
朝靄を浮き上がらせてはいけない
爽やかな「おはよう」を
どの口からも発せさせてはいけない

夜明けは来ない
だが
夜明けは近い
だが
朝は
来ることはない


2013年7月9日火曜日

刑事ドラマで追われるような

刑事ドラマで追われるような
人生が待っている
お決まりの路線をいつの間にか外れて
波乱の日々が訪れる

そしてまた
刑事ドラマで憐(あわれ)みをさそう
ひねくれ固まった性格が焼け焦げた匂いを湛(たた)える
誰もが除けて通ろうとしている

そしてやはり
刑事ドラマで脇役にしかなれない
分かりにくさと扱いにくさを身につけたそいつは
冷や飯を貪り喰う

明日はきょうの風が吹く
知らない街に明かりが灯る

2013年7月8日月曜日

ぼくのおうま

なすに
割ばし刺して
おうまさんの形

パパは帽子かぶって
ハイヨーとかけ声
おうまをはしらせ

ぼくは
手のひらをまるめて望遠鏡で
おうまさんとパパを見る

ママは天使の羽で飛んできて
ぼくとパパにチューをして
おやつですよと言いました

おうまさんにも
お水をあげてください

2013年7月7日日曜日

纏わりつくもの


耳鳴りとともに聞こえてくる声にまで
汗が纏わりつくのは
死んでいった人たちの思いが
なにかのきっかけで漏れだしているからだ

目抜き通りの商店街を
熱風が押し合いながら牛歩戦術で行進している
その混雑の中を
私たちも歩いている

脳の中の一部の領域を
人の命のことが占領していて
きょうはだれもが
それを膨張させているのは
死んでいった人たちの思いが
なにかのきっかけで漏れだしているからだ

入院している人
入院していた人
死んでいった人
自分が誰か分からないまま
でも自分として死んでいった人
入院もせずに死んでいった人
自ら死んでいった人
敵に向かって進み死んでいった人
死んでいった人の数々
死んでいった知人の思い出

商店街を抜け信号待ちのわずかなスペースに
強い日差しが照りつけ
何かが横切っていく
フイと身をかわそうとしても
なにかが纏わり付いていて
かわせない
死んでいった人たちの思いが
なにかのきっかけで漏れだしているからだ

2013年7月6日土曜日

なになにがある






振り返れば
なになにがある
振り返れば そこに
なになにがある
いま 振り返れば そこに
なになにがある
いま すぐに 振り返れば そこに
なになにがある
いま すぐに 振り返れば そこに 愛しい
なになにがある
いま すぐに ためらわずに 振り返れば 
そこに 愛しい
なになにがある
いま すぐに ためらわずに 夕日の差すほうを 振り返れば
そこに 愛しい 
なになにがある
いま すぐに ためらわずに 夕日の差すほうを 振り返れば
そこに 愛しい 前にもまして 美しい
なになにがある
いま すぐに ためらわずに 夕日の差すほうを 振り返れば
そこに 逆光に縁取られた 愛しい 前にもまして 美しい 
なになにがある
いま すぐに ためらわずに 夕日の差すほうを 振り返れば
そこに 逆光に縁取られた 愛しい 前にもまして 美しい
当り前のようにいつも存在していた
なになにがある 
いま すぐに ためらわずに 夕日の差すほうを 振り返れば
いや 振り返らなくとも
そこには 逆光に縁取られた 愛しい 前にもまして 美しい
当り前のようにいつも存在していた
なになにがある
いま すぐに ためらわずに 夕日の差すほうを 振り返れば
いや 振り返らなくとも
そこには 逆光に縁取られた 愛しい 前にもまして 美しい
当り前のようにいつも存在していた
私から離れてゆこうとしている
なになにがある

2013年7月5日金曜日

忘れたくないけど


忘れたいけど
忘れたくない
忘れようとすると
あのときの声がきこえてくる
あのときの姿が鮮明に映し出される

忘れるのをあきらめると
まだそれでは足りないのだと
囁きかけてくる
忘れるのをあきらめることさえ忘れて
今度は積極的に思い出し 考え 感情を奮わす
そして
もう一度アプローチを始める
すると
やはり
そのアプローチを見事に躱(かわ)して
私を絶望の谷に突き落とし
満足げに笑っている

いつまでたっても
何回繰り返しても
振り出しに戻る

それを知っていて
また
忘れようとする

忘れたくないけど
忘れたいひと


2013年7月4日木曜日

僕は死んでも


塀から飛び降りて
すぐに駆け出した
自分が受けた衝撃を誤摩化そうとして

まだ日暮れではないのに
コウモリが低い空を旋回して
牽制してくる
いや もしかしたら僕と遊びたいのかも知れない

でもそんなことは
気にしてはいられない

僕にはやることが山ほどある
宿題のことではない
理由もなくやりたいことが

それをやっていれば
僕は幸せだ
それをやっていれば
僕は死んでも気づかない

2013年7月3日水曜日

空っぽの器

全部失くなってしまった
そして
空っぽの器が現れた

空っぽの器の中の空っぽを
失ったら
次は何が現れるだろう

怖いもの?
それとも
いままでに見たこともない
素晴しい〈何か〉?

2013年7月2日火曜日

小さな鬼


壁にひと月遅れのカレンダー

小さなひとつのことに
頭を占領されると
他のことは後回しになる

都会の道を運転している時のように
思考は進む

目的地に到着したら
もうそこは過去の目的地

車から降りて
道を歩く

その映像を
逆回しして遊んでいるのは
古い家に置き去りにした小さな鬼

2013年7月1日月曜日

センチメンタルな絵

1

生っ白い皮膚のうえ に
白く焼き付いた傷跡

体は揺れて
撓(しな)ってもいるが
思いは
杭が打たれて
揺れられないまま
熟れてゆくのを待つのか

2013年6月30日日曜日

人命救助が趣味のハリー

人命救助が趣味のハリー
難破船が漂流する島で
助けを求める人 待ち構えてる
白い庭に緑の芝生がハリーの自慢
相棒は黒人
いまバンブーの箱を海から拾い上げ
芝生の上に持ってきた

ふたを開けると
さあたいへん!
ハリネズミが6匹飛び出した

刺さないでおくれ
噛まないでおくれ

あたふた逃げ惑うふたり
追いかけるハリネズミ
だれも助けてくれません
誰もかばってくれません

ハリネズミに刺されたハリーと黒人
バンブーの箱はもうこりごり
二度と箱を開けませんよ
ハリネズミなんて助けません
と つぶやいて
おんおんないた

2013年6月29日土曜日

空を突く女


体の線に自信がなければ着られないような服をきて
一組の男女がつり革に掴まって揺られている
なんの変哲もないベーシックなパンツとシャツと
それにおそらくインナーとを
その完璧な体型に貼付けて立っている

女も男も
ついいましがた
雑誌のファッションページから飛び出してきたようで
かっこいいこと この上ない
洗練の極みだ
そして急に電車が大きく揺れるたびに
座っている私の眼の高さに女は股間を突き出し
私の視界を揉む

こうして女の股間を鼻先に突き出されることなど
いままでどれほどあったことか

女と男は
電車遊びをしているのだろう

降りていった私を残して
遠ざかりながら揺れに身を任せ
何度もおのおのの股間を
突き出しては笑いお喋りしている

2013年6月28日金曜日

赤い魚

きみはいつ
自分は特別だ
と 気づいたのか

青い海原を跳んだとき
きみの体は逆光に縁取られ
視界の隅に自らの赤を見た
そのとき
きみは
自分が特別だ
と 気づいた

だが
また海に落ちて
群れをなす仲間たちと
一緒に泳ぐしかなかった

きみは特別な
赤い魚
いままでそうと知らずに
青い魚と群れて泳ぐ
特別な赤い魚

誰もがきみを
特別だと思う
まだそれに戸惑う
何もできない赤い魚



2013年6月27日木曜日

あっちのお山と

あっちのお山と
こっちのお山
どっちのお山がすきですか?

あっちのお家と
こっちのお家
どっちのお庭が広いです?

あっちの人と
こっちの人は
どっちが役にたつかしら?

あっちの仕事
こっちの仕事
どっちが楽ができますか?

あっちの祭り
こっちの祭り
どっちに神様いるかしら?

あっちの理屈
こっちの理屈
どっちも屁理屈屁の河童

2013年6月26日水曜日

涙は

涙とさよならして
泣くのをやめたいのに

涙とさよならしようと思っただけで
なおさら泣けてきた

悲しいことが起こる前に
涙と出会いたくなくて
なにも気にしないように
しようとしたけれど

悲しいことは
もう私をどっぷりと覆っていて
涙はすでにあふれ始めていた

それでは私を逃がそうと
考えてはみたけれど
悲しいことも涙も
私から離れることがない

だから余計に泣きたくなって
それを察した涙は
もう勢いよくあふれ
快晴の海へと向かおうとしている




2013年6月25日火曜日

花束


花束を作ります
最初は自分のために
いつの間にかふたりのために
そして最後はあのひとのために

花束を渡しに行きます
花束を持って
会いたい気持ちを持って
そして私ごと渡してしまいます

あのひとは
幸せそうです

2013年6月24日月曜日

生きていく


幾人かの気心の知れた仲間と
遊びながら
悩みを打ち明けながら
お互いを理解し合っていると喜びながら
助け合って
声を掛け合って
この地に根を下ろして
贅沢はできないけれど
貧しすぎるということもなく
悪いことはせず正直に
得意なことをがんばって
うまい話は疑ってかかり
下手なことはしないようにして
家族を守り
動物を飼い
近所の人と仲良くし
一生懸命仕事して
……

生きていく
これが生きていくということ

2013年6月23日日曜日

放置プレー

つまり
なにも分からなかったということか
ふりだしに戻ったら
スタートラインさえ消えていたということか
おまけに
自分が誰だったかさえも
忘れてしまったというかとか

これ以上考えても
後ろに進むばかり
いいことを思いつこうとしても
後悔したことばかりを思い出す

なにかに頼ろうとしても
なにかに引きずられるだけ

スーパームーンが空で輝いているが
世間の闇が照らされるだけ

心に暗い影ができる
夜の浜で知り合った
しっとりした彼女が
短い言葉を送ってきても
整理できずに放置して
眠りのお迎えただ待っている


2013年6月22日土曜日

知らない娘から

知らない娘(こ)から
メールが届く
空のポストが
声をあげるよ

知らないその娘に
返事を書いた
哀れなぼくに
月も泣いたよ

知らない同士
キスをしました
前の恋人
黙って見てる

2013年6月21日金曜日

僕のかわりにいなくなったネコ

僕のかわりにいなくなったネコ
お月様に行ってしまったのは兎だよ と
いじわるな姉さんは教えてくれた

だから
地上で見えない影を追い求めて
ずっとネコを探している
本当にいなくなったのはネコではない

水筒の酸っぱいジュースを飲んで
何度 気を取り直したことか
今日も汗をかきながら
夢の中の草むらをかき分けて歩いてゆく

悪いことの先にはいいことが待っていると
言っていた人のことを信じて

2013年6月20日木曜日

夕陽色のアイスティ


テーブル越しに新宿の雑踏を眺めながら
夕陽色のアイスティをかき回します
コップのなかに渦巻きが現れます

風か吹いて
静止していた空気が巻き込まれます
氷山がぶつかり合い砕けて弾け飛びます

なまぬるい者たちは居づらくなります

唇に挟んだストローから
冷たい液体を汲みあげます
口の中を潤して  喉を冷やして
古い記憶が呼び起こされます

透明なもの同士が仲良くします
猥雑なもの同士が混ざりあい
お互いを攻めあいます

私の周りの空気も渦を作って
私は台風の目のように
動けなくなります

どこかに連れ去られたテーブルには
援交のカップルが肘をついて
ギラギラする月を
見て見ないようにしています

じんせいは わからない (過去の詩から)


よいことをして
わるいこともして
よくもわるくもないことをして
どちらかわからないことをして
おとなになった
おとなになっても
よいことをして
よくないことをして
どちらかわからないことをして
ろうじんになった

じんせいは
むずかしい
じんせいは
おもしろくて
つまらない
あくびをしたら
しかられる

しかったひとも
あくびをしてる

2013年6月19日水曜日

願い


「人にやさしく」
という詩がすきだ

人にやさしくする
というのが
ぼくの願いだから

やさしくしたいと願う人は
世の中に
たくさんいる
だが数は問題ではない
身近な場所にいるかが問題だ

人にやさしく
とは
標語のようでもあり
座右の銘のようでもある

ぼくは人にやさしくしたい
自分のこころに関係なく
人に感動を与え
こころの緊張をほぐしてあげたい

人にやさしくして
責められることなく
空に消えて行きたい