2011年10月25日火曜日
2011年10月24日月曜日
やっぱり愛していたんだ
それでも
やっぱり愛していたんだ
もう愛することはやめようと決めたんだ だけど
それでもやっぱり愛していたんだ
あなたにも私にもいいことではないとわかっていた だけど
それでもやっぱり愛していたんだ
とりためた写真は捨てられずに残っている
いつか捨てようと決めた だけど
それでもやっぱり愛していたんだ
あなたより好きな人はきっと見つけることはできる
あなたより私にふさわしい人だって……だけど
それでもやっぱり愛していたんだ
もう夢で見たことと現実に起こったこと
あなたの顔や仕草だって本当は忘れてしまっているのかもしれない
あなたのいやなところや可愛くないところだっていっぱいあったはずだ
だけど
それでもやっぱり愛していたんだ
過去形と未来系が衝突して大破して
私は傷ついてたまに後ろ向きになって
もう早く忘れたほうがいいと何度も思ったんだ だけど
それでもやっぱり愛していたんだ
愛していたいだけなのかもしれない
本当は愛していないのかもしれない
愛とは何か分からないのかもしれない
愛は刹那なのか永遠なのか
そんなこともわからない だけど
それでもやっぱり愛していたんだ
愛していたといわれて
愛する人はどう思うのだろう
破れたチラシが風に待ってまとわりついてきたくらいのことかもしれない
だけど それでもやっぱり愛していたんだ
勝手に愛していたんだ
誰かに忠告されても
ずっと会うことがなくなっ
その声もまなざしも忘れてしまっても
約束したいろんなことがおもい出せなくても
それでもやっぱり愛していたんだ
だけど
もうやめようと思うんだ
先が無いと思うから
それでもやっぱり愛しているんだ
2011年10月23日日曜日
資格試験
受かった記憶もないから
やはり資格は持っていなかったのだろう
あなたから
「あなたには資格がない」言われて
作り笑いしかできずに
課題を家に持ち帰ったけれど
あなたが家庭教師をしてくれない限りは
問題は解けそうもない
あたふたと困り果てて
いつものように疲れて眠ってしまった
しっかりした人なら
眠さに負けることもないのだろうが
あなたは
私を見通して
とっくに決めていたのだろう
この人は
私のパートナーになる資格はない
と
2011年10月22日土曜日
ただ愛してはいなかった
ただ愛してはいなかった
あの人は誕生日でもないのにプレゼントをくれた
ただ愛してはいなかった
プレゼントはひとつではなく沢山だった
ただ愛してはいなかった
熱が出たとき、あの人は看病してくれた
ただ愛してはいなかった
川べりの道を歩いて手をつないだ
ただ愛してはいなかった
またどこか行こうねと何度も約束をした
ただ愛してはいなかった
あの人は私を大事にし、やさしかった
ただ愛してはいなかった
あの人は私を喜ばせることが好きだった
ただ愛してはいなかった
あの人は私に大事にいているノートをくれた
ただ愛してはいなかった
あの人はいつも私に愛していると言っては抱きしめた
ただ私は愛してはいなかった
2011年10月21日金曜日
ただ愛してはいた
ただ愛してはいた
そのひとに幸せになってほしいなんて思わない
ただ愛してはいた
そのひとと暮らしたいとは思わなかった
ただ愛してはいた
そのひとはほかの人と暮らしていた
ただ愛してはいた
そのひとは私をなじった
ただ愛してはいた
そのひとは時々発狂した
ただ愛してはいた
そのひとはときどき変な顔を見せた
ただ愛していた
そのひとはどこかに行ってしまった
ただ愛してはいた
そのひとは突然姿を見せたが挨拶もしなかった
ただ愛してはいた
そのひとは私を愛してはいなかった
ただ私は愛してはいた
2011年10月20日木曜日
なぜだかは わからないけど
きっと私のことを
思ってくれている
私が思う分だけ
きっとあの人は
私のことを
思ってくれている
なぜだかは
わからないけど
私は
信じることができる
なぜだかは
わからないけど
私はあの人を
愛している
近況など
私は、いま北京大学に留学生として来ていて、学校の宿舎に住んでいます。リビングとシャワー・トイレは三人共用ですが、寝室兼デスクの在るパーソナルスペースがあり鍵を掛けられます。
毎日、約四時間の授業に出席し、そのために約4時間の予習復習をしています。留学生はいろんな国の、いろんな年齢の人がいて、一緒の教室で勉強しています。15人ほどのクラスで、いい感じの人がそろっています。日本人も一緒になることがありますが、しゃべらないようにしているので、日本語はまったく使うことがありません。
北京大学はとても広くて美しいキャンパスですが、たまにスモッグに包まれます。そんな日は喉が痛くなる前に、部屋に帰って喉用のスプレーをひと噴きしてなるべく外に出ません。昔から喉が弱く、すぐ風邪をひきましたが、いまは、対処法がいろいろ見つかったので、風邪をひかなくなりました。
来週はアイスランド、日本からも詩人が来て、中国の詩人たちと一緒に、北京大学で詩の研究会があります。私も参加することになりました。
詩の勉強をすることや、その同志たちと何かができることはとても幸せです。
中国に来る詩人の一人に覚和歌子さんがいらっしゃいますが、先日、横浜のオブラートのイベントでご一緒しました。中国で再会できるなんて、素敵なことです。
中国に来た目的の一番は、中国の詩人たちと交流することにあります。友人の詩人、田原さんのおかげで、早い機会に中国の詩人たちと再会出来ることとは、ありがたいことです。
2011年10月19日水曜日
私の消しゴム
こんなに長い間
大事につかったことは
いままで
なかった
見慣れない文字を消し
かなわない絵空事を消し
空に浮かぶ雲を消し
書き損じた作文を消した
紙の上の世界が吸い込まれ
消しゴムのかすが取り払われると
新しい道のように
まぶしい光が反射していた
消しゴムを手に
私はきょうも
出かける
どこかに
行くために
帰る場所を
見つける旅を
思い描きながら
2011年10月18日火曜日
自分の胸に
私が眠るのを見に来た
悪魔に見られながら眠るなど
いままで
考えたこともなかった
悪魔は
本棚の隙間に隠れて
旧い詩集のように
私を見ている
私が悪魔を見ようとすると
悪魔はすかさず目をそらすので
恋人同士のように
親密にはなることはできない
悪魔は私が寝入ったあと
何をしているのだろう
訊いてみたい衝動に駆られるが
目を覚ましたとき
いつもそこに悪魔はいない
どこにいってしまうのか
自分の胸に
訊いてみよるとしよう
2011年10月17日月曜日
あなたの唇は濡れている
花の香りに包まれる
どんな花が香っているのか
目を閉じて想像しながら
月の明るい海に漕ぎ出す
近くで波音はするが
海は静まっている
小さな船は
めまいを起こしそうな揺れを続けるが
あなたと私はしっかりと結び合って
酔うことも受け付けない
たしかなお互いの感覚を
確かめるだけだ
遠いような近いような
未来のような
懐かしい景色の中にいるような
今までにない想いが
とどまって波打つ
あなたは
揺れが収まるタイミングで
小さく声を漏らし
喉の奥に仕舞い込む
私たちは目を開けているのか
瞑っているのかも分からないまま
どこかへ進もうとしているが
同じ場所を行ったりきたりするばかりだ
あなたはずっと
私の腕に長い指を巻きつけてつかまったまま
疲れることも知らないようだ
どこかで
鳥が飛び立ったような気がして振り向くと
それは
あなたの胸から
たったいま飛び立った
透明な鳥だった
月の光の反射で
その輪郭だけが
空に上っていった