2013年2月12日火曜日

病気になった友だちが


病気になった友だちが
カメラを向けると
景色は味方する

綺麗なところを撮ってくれると
知っているから

友だちは
人に優しいが
人を信じない

自分を信じられないから

でも
いつか
自分を信じ
人も信じたいと願っている
ことばにはしないけど

友だちは
それでも幸せだった
なにも
ごまかす必要がなかったから

池のほとりにたって
カモの背中の水はけを
うっとり眼に入れている

寒い風がくるくる回って
古い思い出をつれてくる

ここにいたはずのない母が
ここで夕暮れに沈んで
父とまどろみを手招きしている

1 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2013年2月13日 0:32

    人を信じることはとても苦しい。
    人から信じてると言われる重圧はもっと苦しい。
    人を信じられないことは心がカラッポになること。
    人を信じようと思いかけてから自分は弱くなった。

    目の前の神が創った水を弾く緑の羽根、
    何も考えずいっそ微睡みの中へ消えてしまおうか、
    そう思った瞬間、心が解放された。

    返信削除