病気になった友だちが
カメラを向けると
景色は味方する
綺麗なところを撮ってくれると
知っているから
友だちは
人に優しいが
人を信じない
自分を信じられないから
でも
いつか
自分を信じ
人も信じたいと願っている
ことばにはしないけど
友だちは
それでも幸せだった
なにも
ごまかす必要がなかったから
池のほとりにたって
カモの背中の水はけを
うっとり眼に入れている
寒い風がくるくる回って
古い思い出をつれてくる
ここにいたはずのない母が
ここで夕暮れに沈んで
父とまどろみを手招きしている
人を信じることはとても苦しい。
返信削除人から信じてると言われる重圧はもっと苦しい。
人を信じられないことは心がカラッポになること。
人を信じようと思いかけてから自分は弱くなった。
目の前の神が創った水を弾く緑の羽根、
何も考えずいっそ微睡みの中へ消えてしまおうか、
そう思った瞬間、心が解放された。