躯でも声でもことばでも語れない
愛した人 してきたことも
ぼんやりして
ただ佇むしかないその門の黒い柱の前
ここは壁に囲まれたすみかなの?
夢も裏切りも混ざり 湿った場所
外は闇色 悪魔が赤い舌出してうろついてる
ここにいるしかない?
青い月が道を照らして待っている
そのむこうにかがやく
露にぬれたま新しい大地
草を揺らし 靴音に励まされ
走ってゆく
未来でも過去でも時は止まっている
あの横顔 騒がしい街
去ってゆく
燃えだした塔の上を流れる川という川
白い夜がそっと閉じて
誘ってる
ずっと前から知ってた
自転車乗り捨てたその訳
握りしめた手 背中はあたたかさ
感じてる