つむじ風をつくって
あの人に伝えたよ
あの人が気づかない
私の思い
あの人の思いが
霰になって降って来たよ
私が知らなかった
あの人の思い
2013年6月14日金曜日
2013年6月13日木曜日
美しい世界
あの人の愛はなくなってしまった
もう私に向けられる愛はないのだ
猜疑心が周りじゅうの人の心に芽生えて
誰もが私を嫌い疎まし思うようになった
ずっと続けてきた仕事も私を嫌い
あっさりと私を手放した
集いの場にも呼ばれなくなり
あらゆる友人知人からの誘いもこない
おまけに皮膚がただれ
歯も抜け落ち
悪夢にうなされ
精神を病んだ
錆びた自転車はパンクして
歩く方がましになり
食品は消費期限がくるまえに
カビたし腐ったりもした
物陰から小蝿が湧き上がり
雨漏りもひどく
エアコンも壊れ
自分自身が不快指数の塊になった
思い出のなかに愛を探し歩いても
磁石のように弾かれて
見つけることができない
一人で座り心地の悪い椅子に座り
片目だけ開けてコーヒーを飲んでいる
生きていることの幸せに涙しながら
それでも美しくあり続けるする世界に驚嘆しながら
もう私に向けられる愛はないのだ
猜疑心が周りじゅうの人の心に芽生えて
誰もが私を嫌い疎まし思うようになった
ずっと続けてきた仕事も私を嫌い
あっさりと私を手放した
集いの場にも呼ばれなくなり
あらゆる友人知人からの誘いもこない
おまけに皮膚がただれ
歯も抜け落ち
悪夢にうなされ
精神を病んだ
錆びた自転車はパンクして
歩く方がましになり
食品は消費期限がくるまえに
カビたし腐ったりもした
物陰から小蝿が湧き上がり
雨漏りもひどく
エアコンも壊れ
自分自身が不快指数の塊になった
思い出のなかに愛を探し歩いても
磁石のように弾かれて
見つけることができない
一人で座り心地の悪い椅子に座り
片目だけ開けてコーヒーを飲んでいる
生きていることの幸せに涙しながら
それでも美しくあり続けるする世界に驚嘆しながら
2013年6月12日水曜日
スリットいりの景色
スリットいりの景色が
一日に何度も切り替わる
きみが笑い声を高めるたびに
古い景色は粘着質のものに
まきとられていく
二度と現場に立ちあがることができなくなった
古い景色は
夕日に滲ませた泣き顔を
カラカラに乾かして自らの不遇を紛らわしている
それだから
私の毎日には
点眼が必要だ
何処かで高みの見物を決め込む
不適な友だちにさえ
合わす顔がみつからないから
この景色の中では
一日に何度も切り替わる
きみが笑い声を高めるたびに
古い景色は粘着質のものに
まきとられていく
二度と現場に立ちあがることができなくなった
古い景色は
夕日に滲ませた泣き顔を
カラカラに乾かして自らの不遇を紛らわしている
それだから
私の毎日には
点眼が必要だ
何処かで高みの見物を決め込む
不適な友だちにさえ
合わす顔がみつからないから
この景色の中では
2013年6月11日火曜日
赤ちゃんをつくる
赤ちゃんをつくりましょう
私たちの赤ちゃん
聖なる夜に
命を呼びましょう
あらゆる穢れを
星の光で浄めて
奇跡のスパークを
閉じ込めましょう
過去と未来の時の流れを
あの 霧に霞むあたりで
併せましょう
世間の雑音を
音楽に変えます
魔窟に棲む妖怪たちも
今夜は祝福のため
静かにしているでしょう
雲の上に溜まった
神の涙は
温かい雨に変わります
あなたは
白いシーツの上で
輝いています
花の香りを放ち
畝っています
その曲線のぜんまいが勢いよく拡がり
私はそのバネの躍動ね中に
深く潜ってゆきます
朝は
あんなに遠かったのに
ガラス瓶のように
もう
窓辺に置いてあります
いつの日にかみた
あの花束を抱えて
あなたと出会った時のように
何もしらない顔をして
私たちの赤ちゃん
聖なる夜に
命を呼びましょう
あらゆる穢れを
星の光で浄めて
奇跡のスパークを
閉じ込めましょう
過去と未来の時の流れを
あの 霧に霞むあたりで
併せましょう
世間の雑音を
音楽に変えます
魔窟に棲む妖怪たちも
今夜は祝福のため
静かにしているでしょう
雲の上に溜まった
神の涙は
温かい雨に変わります
あなたは
白いシーツの上で
輝いています
花の香りを放ち
畝っています
その曲線のぜんまいが勢いよく拡がり
私はそのバネの躍動ね中に
深く潜ってゆきます
朝は
あんなに遠かったのに
ガラス瓶のように
もう
窓辺に置いてあります
いつの日にかみた
あの花束を抱えて
あなたと出会った時のように
何もしらない顔をして
2013年6月10日月曜日
やぶか
やぶかとんできて
はりさした
やぶかはりさして
ちをすった
やぶかちをすって
ちょっとよっぱらった
やぶかちょっとよっぱらって
めがまわり
わたしはたいておとした
やぶかはたかれてちをだした
ちをだしながらじめんにおちた
やぶかやぶかだとじぶんではしらぬまま
しんでいった
しんだことさえきづかずに
やぶかいきていたことさえきづかぬに
2013年6月9日日曜日
詩ではないけれど
母が手術を受けることになった
成功しますように
痛くありませんように
前よりも元気になりますように
神様の前に立つ時
ふと思い出した時
いままで
強い母としか思っていなかったその人を
初めて弱いところもある人なのだと気づいた
私は私の方が弱い人間だと
ずっと思ってきた
だから
いままで
照れてばかりで
いたわったことはなかった
その母が
病気に挑もうとしている
細くなってしまった脚に力を込めて
恐怖に耐えることもあるのだろうか
麻酔がうまく効きますように
目覚めたら
やさしい私 が
そこにいられますように
そこにいられますように
2013年6月8日土曜日
空海という猫
初めて「空海」という名の猫を見たのは
昨日のこと
古いアルバムに書き込まれていたその名の上に
行儀よく座って
こちらを見ている
写真だから
動きも
鳴きもしない
永遠に春の長閑な陽の下で
白黒写真のまま
そこに座っているのだろう
今はもう亡いその人から
空海という猫がいたことを聴かされたのは小学生の頃
ある日気づくと
いつの間にかその猫はいなくなってしまっていたという
1951 と銀文字の年号が刻まれた
そのアルバムの中で
そのアルバムの中で
私に見つけられるのを待っていたのか
いつの間にかいなくなってしまったひとが
今はもうない家の奥にひっそりと仕舞っていた
その布貼りのアルバムの中で
2013年6月7日金曜日
アイディアなんて
ある日、アイディアを出すことに疲れて彼は言った
ここ数日
いくつものすばらしいアイディアが浮かんではきたけれど
それらは彼が記憶し あるいは さらにふくらまそうとする前に
彼方へと消えていった 跡形もなく
アイディアは浮かんでは消えてゆくものなのだ
もう彼はそれを追いかけない
そして
もう
アイディアの気配さえ
彼は無視をするのだった
梅雨と真夏の間の季節に
どんよりした空一面の雲の真ん中に
太陽が豆電球のように見えているが
あのちっぽけな太陽のおかげで広い地球上はこんなに明るい
そんなことが実際にあるのだ
関係ないことかもしれないが
彼はお腹を空かせてそんなことを考えていた
そしてカレーでも食べようかと思っている
気をつけないと
彼は週に10遍もカレーを食べてしまう
マルチタスクの脳みそのデスクトップは案外狭く
そのせいで
いろんなことを同時には考えられない
2013年6月6日木曜日
願い事
祈らないと
祈りは通じる
だから
祈らなくていい
鈴蘭の鈴を鳴らして
願をかけているのは
祈ることを知らない
雨の粒
きのうやんだ雨は
もうどこにいるのか分からないが
願い事は
天に届いたのだろうか
2013年6月5日水曜日
女の時間
それは霊障(れいしょう)ですわ と
煤(すす)けた女が神妙な顔で言った
最も苦手とするタイプであることが
相手にも悟られていることだろう
その明白なバレバレの状態が
なんともはしたなく感じられ
彼は冷笑して後ずさりするしかなかった
「霊障に冷笑か」
笑えない駄洒落を彼は口ごもり
煤けた女のまえで
成り行きを見守るしかなかった
タイミングよく
鳶が ピヨールルーン
と啼いて合いの手を入れた
今始まったばかりの
この対話
彼にとっての最も長い日となるだろう
女との出会いにピンを売って
黄色い糸で同心円を描く
私の時間
それはまた不幸にも女の時間でもあるのだ
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