ブロッコリーみたいじゃない? 森。
TAKAはロープウエーから眼下を動いていく森に
私の視線を促して言う
ブロッコリーって、ぴったしじゃん?
おれ、前にここ、乗ったとき思った。
ブロッコリーみたいって、ぴったしだって。
うまくない?
うん、うまいうまい。いいね。
そうだよね、ブロッコリー。
ブロッコリー。たしかに、ブロッコリーに見える。
似ている。
ブロッコリーの森。
マヨネーズかけたくなったりしない?
車内ではこの観光地の歴史を説明している。
TAKAはくつろいで無邪気に口をあけて下を見ている。
私もだ。
あんね、降りたら、海の浜に行こう。海水浴場。
近くに食堂もあるから。
うん。どのくらい?
ブロッコリー、サラダにあるかな?
とも言おうとしてやめた。
だってサービス良すぎじゃん。
30分ぐらい。
ブロッコリーの森の上、
ロープウエーは通り過ぎ、
私たちの「時」もまた通り過ぎた。