あの場所に何もかも置いてきたまま
あの場所のことを忘れていた
あの場所に少しずつ埃が降り積もり
少しずつゴムの張力はなくなり
生々しい思い出も少しずつ風化した
あの場所を知る人はいなくなり
あの場所からつながっていた糸も切れた
あの場所を守る人は年老いて
何かをする意欲はなくなった
あの場所は黙って
世間から遠ざかってゆくのを受け入れ
小声で悲鳴を上げるだけだった
ある日
きのうからきょうになろうとする頃
私の内側にあの場所が現れ
狭い階段の先に古い畳の続きの部屋が見えた
長い間私はその場所のことを忘れていた
だがそこは私の部屋だった
愛する人とのつらい思い出も置いてあった
私にどうしろというのだろう
その場所の地図もなければ行き方も分からない
あの場所は幻ではないのだろうか
そう思えば思うほど
あの場所は扉を開けて
私の心の穴にその口をポッカリと重ねて
すべてを飲み込もうとした
そして
飲み込んだあとにあの場所は消え
もう誰も
思い出すことさえできないのだ
2014年4月9日水曜日
2014年4月8日火曜日
とがってるきみ
よそいきのふくのせい?
きみのかたが
とがってる
きみはくちびるもとがらして
かわいいえがおを
ふりまいてる
もったいないよ
ぼくにだけ
みせてよ
そのえがお
とがらしたくちびる
とがったかた
きみはやさしい
すてきなひと
おこったかおも
みてみたい
ねえ
おこったかおを
してみて
ぼくにだけ
こっちをむいて
きみのかたが
とがってる
きみはくちびるもとがらして
かわいいえがおを
ふりまいてる
もったいないよ
ぼくにだけ
みせてよ
そのえがお
とがらしたくちびる
とがったかた
きみはやさしい
すてきなひと
おこったかおも
みてみたい
ねえ
おこったかおを
してみて
ぼくにだけ
こっちをむいて
2014年4月7日月曜日
2014年4月6日日曜日
記念日
死にたくなるような日々の数々も
日差しに暖められて起こされた沈みゆく朝も
絶望を一人で抱えたような顔して
さまよっている午後も
かたときも離れずきみを守ってきたもの
それがどこから来たのか
きみはしらないまま生きている
轟音とともにきみの脇を走り去ってゆくダンプ
カミソリの刃がスッと血の線を引く
きょうは記念日
きみと私がきょうを生き抜いた
日差しに暖められて起こされた沈みゆく朝も
絶望を一人で抱えたような顔して
さまよっている午後も
かたときも離れずきみを守ってきたもの
それがどこから来たのか
きみはしらないまま生きている
轟音とともにきみの脇を走り去ってゆくダンプ
カミソリの刃がスッと血の線を引く
きょうは記念日
きみと私がきょうを生き抜いた
2014年4月5日土曜日
星屑
アイスコーヒーが喉から沁みて
全身を一つにまとめようとする
星屑が見えないところで箒ではかれている
光の粒がまぶたの裏に集まってくる
それを水の流れが眺めている
私は息を止めて
命の在り処をたしかめようとする
全身を一つにまとめようとする
星屑が見えないところで箒ではかれている
光の粒がまぶたの裏に集まってくる
それを水の流れが眺めている
私は息を止めて
命の在り処をたしかめようとする
2014年4月4日金曜日
あの なんでもない
あの
なんでもない
ゆめの続きに
戻ることができない
あの
なんでもない
意味のない風景の
一コマに戻りたい
あの
なにも思わなかった
忘れてばかりの日々に
帰るように
あの
命とおなじ重さだった体に
帰るように
あの
なんでもない
ゆめの続きに
戻りたい
前も後ろもない
流れない時間の
真ん中へ
入っていきたい
2014年4月3日木曜日
だれかが心を
黙って静かにしていたら
だれかが心をノックした
気のせいなんかじゃありません
心の扉をあけてみた
すーっと風が吹き込んだ
泥棒入ってこないかな
ゆったり椅子に座ってた
時は行列作ってる
いったいどこへ行きますか
星の明かりが灯ったら
幸せなこと数えます
数えるうちに いなくなります
2014年4月2日水曜日
未来のことを
不幸せだと思っていた
幸せだった日々
いま
まいにち苦しんでいるが
これからきっともっと苦しくなる
苦しみのなかに
幸せはあるだろうか
あったら
おしえてほしい
なにかの合図をしてほしい
私はまじまじと
幸せをながめて確かめてみよう
ざらざらした背中をなでてみよう
他人行儀な幸せは
私になじんでくれるだろうか
私は幸せを大事にしよう
幸せに好かれるように
友達の苦しみも一緒に
未来のことを夢見たりして
幸せだった日々
まいにち苦しんでいるが
これからきっともっと苦しくなる
苦しみのなかに
幸せはあるだろうか
おしえてほしい
なにかの合図をしてほしい
幸せをながめて確かめてみよう
ざらざらした背中をなでてみよう
他人行儀な幸せは
私になじんでくれるだろうか
幸せに好かれるように
友達の苦しみも一緒に
未来のことを夢見たりして
2014年4月1日火曜日
道路を封鎖しています
私は数十人の仲間とともに
道路を封鎖する活動をやっている
権力の横暴に慣れきった人々を覚醒させ理不尽な世の中を少しでも良くするため
国道の大通りから別の大通りを結ぶ200メートルほどの道に
立ったり寝たりして人間バリケードを作っている
道路を封鎖する活動をやっている
権力の横暴に慣れきった人々を覚醒させ理不尽な世の中を少しでも良くするため
国道の大通りから別の大通りを結ぶ200メートルほどの道に
立ったり寝たりして人間バリケードを作っている
この活動は何人かの住民と通りがかりの人によって自然に始められた
私が加わったときにはもう近隣の学生や商店主やOLやサラリーマン、公務員、警官などあらゆる職種の人間が参加し
すでにもう今と同じ規模だった
参加者は日替わり、時間帯で入れ替わりこの場所を「守って」いた
私が加わったときにはもう近隣の学生や商店主やOLやサラリーマン、公務員、警官などあらゆる職種の人間が参加し
すでにもう今と同じ規模だった
参加者は日替わり、時間帯で入れ替わりこの場所を「守って」いた
この道路封鎖の型破りなところは
警察を模した検問形式で通過しようとする者に話を聞き
最後には「通してしまう」ことだった
道の中間点では10人ほどがスクラムを組んで路上に横たわり
半固定状態でそこを守っていたが数分おきには立ち上がり「検問」が済んだ車両を通した
警察を模した検問形式で通過しようとする者に話を聞き
最後には「通してしまう」ことだった
道の中間点では10人ほどがスクラムを組んで路上に横たわり
半固定状態でそこを守っていたが数分おきには立ち上がり「検問」が済んだ車両を通した
私は近くの高台のマンションの9階に住んでいた
夕方になると私はその部屋に帰り
全面がガラス張りの南側の窓から果てしなく広がる海を見た
右方向の空を真っ赤に染めて沈んでいく太陽を見ると
高揚感がこみ上げてきて誰かと分かち合いたい、とその度ごとに願ったりした
夕方になると私はその部屋に帰り
全面がガラス張りの南側の窓から果てしなく広がる海を見た
右方向の空を真っ赤に染めて沈んでいく太陽を見ると
高揚感がこみ上げてきて誰かと分かち合いたい、とその度ごとに願ったりした
道路封鎖が始まりしばらく経つと
いつもその道を利用するドライバーには「慣れ」が見られ
すぐに通してもらえるだろうとたかをくくり、低速で強引に「検問」を押しのけて突っ込んでくる者がいた
私は立ちはだかりなぎ倒されるのを覚悟で「検問」にのぞんだ(ある時は都バスの前に立ちはだかったが押し倒され危うく命を失いかけたが、10人の仰臥位スクラムの人たちがそれに無言の抗議をして反日に渡って都バスを立ち往生させた)
いつもその道を利用するドライバーには「慣れ」が見られ
すぐに通してもらえるだろうとたかをくくり、低速で強引に「検問」を押しのけて突っ込んでくる者がいた
私は立ちはだかりなぎ倒されるのを覚悟で「検問」にのぞんだ(ある時は都バスの前に立ちはだかったが押し倒され危うく命を失いかけたが、10人の仰臥位スクラムの人たちがそれに無言の抗議をして反日に渡って都バスを立ち往生させた)
「検問」の内容は挨拶や日常会話や問いかけや自らの吐露だった
決まりはなく時に1時間に及ぶこともあった
ある女子の高校生は相手にすまなそうに自分の気持ちを話して相手を和ませたし
ある公務員は相手の仕事をねぎらいつつ道路封鎖の意義をといた
道路封鎖は美しい情景だ、とに私には見えた
決まりはなく時に1時間に及ぶこともあった
ある女子の高校生は相手にすまなそうに自分の気持ちを話して相手を和ませたし
ある公務員は相手の仕事をねぎらいつつ道路封鎖の意義をといた
道路封鎖は美しい情景だ、とに私には見えた
200メートルの道に夜が来て街灯が灯ると
仲間たちはだんだんと入れ替わったが夜の参加者は少なく、10人に満たないこともあった
雨が強い日などは仰臥位スクラムは1人か2人の時もあった
明け方近くに私が参加すると雨に打たれた仲間が救急車に担ぎ込まれていることがあった
そしてこの活動は出入り自由、みな対等、平等でリーダーもなく決まりもなかった
そしていつまでも続くようだった
仲間たちはだんだんと入れ替わったが夜の参加者は少なく、10人に満たないこともあった
雨が強い日などは仰臥位スクラムは1人か2人の時もあった
明け方近くに私が参加すると雨に打たれた仲間が救急車に担ぎ込まれていることがあった
そしてこの活動は出入り自由、みな対等、平等でリーダーもなく決まりもなかった
そしていつまでも続くようだった
道路封鎖はこの道を利用して生活する人に不便さを与えたが
同時に夢と希望を与えた
封鎖する側もされる側も
その顔に人間の表情を取り戻していたのである
同時に夢と希望を与えた
封鎖する側もされる側も
その顔に人間の表情を取り戻していたのである
私は仲間と続けているこの活動を誇りにおもう
奇跡的に興り続けられているこの活動は未来の道標になるだろう
仲間の一人のジャーナリストがこの封鎖を記録し論述した
私もまた心にこの活動を刻んでいた
仲間の誰もが
そして目撃した人の誰もがそうしたように
そして誰かに語り始めた
奇跡的に興り続けられているこの活動は未来の道標になるだろう
仲間の一人のジャーナリストがこの封鎖を記録し論述した
私もまた心にこの活動を刻んでいた
仲間の誰もが
そして目撃した人の誰もがそうしたように
そして誰かに語り始めた
2014年3月31日月曜日
きょうの印象
空の裂け目から血が滲んだような濃いオレンジ色の〈別の空〉が
私たちを覆い尽くそうとしている
もし一瞬でも覆われてしまえば
すぐさま窒息してしまうだろう
澱んだ湖がその空を映して
湖底深く抱え込んだマグマを混ぜ合わせようとしている
企てが地上のそこここで
虎視眈々と実行されようと狙われている
この世に冒険者がいなくなってから
ただ人は冒険者の模倣品を繰り返し送り出し続けている
それなのに
ひとは希望を抱くことさえ
いつのまにか拵えられた前世紀の柵の中でしかすることができない
空が群青色に移行し
地上を見下ろす無数の瞳が現れる
だがひとはそれを見ながらも気づくことができない
発せられたコトバは
翻訳され他国にも通じるコトバだ
幼児がテキストブックを開く
何かを知るためではない
知ることから遠ざかるために
幼児は学びの時間に沈んでゆく
もう救うことはできない
どんな手を差し伸べても
手は枯れた細く頼りない草の茎でしかなくなっているから
私たちを覆い尽くそうとしている
もし一瞬でも覆われてしまえば
すぐさま窒息してしまうだろう
湖底深く抱え込んだマグマを混ぜ合わせようとしている
企てが地上のそこここで
虎視眈々と実行されようと狙われている
ただ人は冒険者の模倣品を繰り返し送り出し続けている
それなのに
ひとは希望を抱くことさえ
いつのまにか拵えられた前世紀の柵の中でしかすることができない
地上を見下ろす無数の瞳が現れる
だがひとはそれを見ながらも気づくことができない
発せられたコトバは
翻訳され他国にも通じるコトバだ
何かを知るためではない
知ることから遠ざかるために
幼児は学びの時間に沈んでゆく
どんな手を差し伸べても
手は枯れた細く頼りない草の茎でしかなくなっているから
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