今後も生きていていいか
許可をお願いします
あなたの前に現れることを
認可してください
あなたのためにお金を稼ぎ
稼いだお金をすべてあなたに渡すという
わたしのアイデアに
特許を与えてください
不思議な感じの夕焼けや
風が運んできたいい香り
真夜中の砂浜の月
それに街で見つけた素敵なもの
それらをあなたに贈りたいと思うことを
歓迎してください
わたしはあなたのいうことを
よくきくしもべですが
あなたが
そういうのは気持ち悪い
と思うなら
わたしはさりげなくそれをやってのけましょう
そういうわけで
きょう
待っていていいですか
偶然を装って
2012年4月22日日曜日
たべごろ
部屋の中の空気は
四角い
人がいる部分は
人型に切り抜かれているが
人の中にある空気は
複雑な形で湿り気が多い
心配はいらない
この人は間もなく部屋を出て行く
そうしたら
厄介な感じは少なくなるから
あなたが考えるべき問題は
別にある
たとえば
電球は何個必要か
宇宙人は何色が好きか
空をどうしたら天気が雨になるか
竹輪はいつごろがいちばんおいしいか
四角い
人がいる部分は
人型に切り抜かれているが
人の中にある空気は
複雑な形で湿り気が多い
心配はいらない
この人は間もなく部屋を出て行く
そうしたら
厄介な感じは少なくなるから
あなたが考えるべき問題は
別にある
たとえば
電球は何個必要か
宇宙人は何色が好きか
空をどうしたら天気が雨になるか
竹輪はいつごろがいちばんおいしいか
2012年4月20日金曜日
僕が死ぬ一日前に
僕が死ぬ一日前に僕と結婚してください
僕はずっとあなたのことが好きでした
少ない交わりだったけれど
僕にとっては幸せでかけがえのない時間でした
あなたの化粧が僕のシャツについた時
あなたがすまなそうにしたことも
ドキドキするような思い出です
息を止めて人生最大の賭けをした瞬間でした
あなたが渡してくれた花の香りのソープ
未だに机の引き出しで香っています
占いの書かれた手作りのカード
どこに行ってしまったか分からない出来事の数々
思い出そうとふと立ち止まってみるけれど
なかなか思い出せません
あなたはいまどこでなにをしているでしょうか
だれとどんな話をしているでしょうか
誰かのうでの中で
優しく目を閉じて眠っているでしょうか
僕はいつもあなたを思っています
あなたを幸せにしたいと希っています
一日だけでも
僕の幸せと重ねあわせたいと
だから
僕が死ぬ一日前に
僕と結婚して下さい
そのあとは
すぐに
忘れてくれても構わないので
僕はずっとあなたのことが好きでした
少ない交わりだったけれど
僕にとっては幸せでかけがえのない時間でした
あなたの化粧が僕のシャツについた時
あなたがすまなそうにしたことも
ドキドキするような思い出です
息を止めて人生最大の賭けをした瞬間でした
あなたが渡してくれた花の香りのソープ
未だに机の引き出しで香っています
占いの書かれた手作りのカード
どこに行ってしまったか分からない出来事の数々
思い出そうとふと立ち止まってみるけれど
なかなか思い出せません
あなたはいまどこでなにをしているでしょうか
だれとどんな話をしているでしょうか
誰かのうでの中で
優しく目を閉じて眠っているでしょうか
僕はいつもあなたを思っています
あなたを幸せにしたいと希っています
一日だけでも
僕の幸せと重ねあわせたいと
だから
僕が死ぬ一日前に
僕と結婚して下さい
そのあとは
すぐに
忘れてくれても構わないので
2012年4月19日木曜日
詩になることば
詩になる前のことばは
とてもいい
詩にならずに
消えて行ってください
永遠にとどめようとしないで
消え去る自由を
繰り返しいつまでも
与え続けてあげてください
季節がめぐり
やがてまた新しい花びらが
何かを語ろうとしているが
その前に立って
私は言葉をなくしている
それは自然なことだ
古い言葉が濾過されて
おいしくなって
湧き出てくる
詩人はその脇に立って
その水を飲むといい
言葉ではないもので
喉を鳴らして
とてもいい
詩にならずに
消えて行ってください
永遠にとどめようとしないで
消え去る自由を
繰り返しいつまでも
与え続けてあげてください
季節がめぐり
やがてまた新しい花びらが
何かを語ろうとしているが
その前に立って
私は言葉をなくしている
それは自然なことだ
古い言葉が濾過されて
おいしくなって
湧き出てくる
詩人はその脇に立って
その水を飲むといい
言葉ではないもので
喉を鳴らして
2012年4月18日水曜日
埃ゴミの主張
私ははエッジのない
埃ゴミのひとつ
まちに立つ建物にだってひとつひとつ物語がある
東京の空は狭いといわれるが
鳥たちは飛び回る自由を持っている
私は
誰が捨てたかも知れず
自らの自由を持たない路上の埃ゴミ
謝る必要もなく
媚びる場面もこない
雨の日にいちばん低い場所から
街を眺めよう
望みではないが
いま言えるのはそのくらい
以上
埃ゴミのひとつ
まちに立つ建物にだってひとつひとつ物語がある
東京の空は狭いといわれるが
鳥たちは飛び回る自由を持っている
私は
誰が捨てたかも知れず
自らの自由を持たない路上の埃ゴミ
謝る必要もなく
媚びる場面もこない
雨の日にいちばん低い場所から
街を眺めよう
望みではないが
いま言えるのはそのくらい
以上
2012年4月17日火曜日
あなたと僕
あなたがジャンプするから
僕は跳ばずにいられる
傷だらけになっても
あなたは立ち上がるから
僕は布団を体に巻いて潜っている
勝手口や玄関であなたは押し売りを撃退するから
僕はあなたを盗み見して中心を熱くする
あなたはバーのカウンターで強いお酒を何杯も飲む
僕は眼を閉じたあなたのからだをゆっくりと舐めまわす
夜の間に貯水池の水は誰かが飲み干してしまったらしい
あなたは酔いつぶれて寝ているし
その傍らで
ぼくは干からびている
街中が騒いでいるが
ふたりとも
いつまでたっても
起き上がる気配がない
僕は跳ばずにいられる
傷だらけになっても
あなたは立ち上がるから
僕は布団を体に巻いて潜っている
勝手口や玄関であなたは押し売りを撃退するから
僕はあなたを盗み見して中心を熱くする
あなたはバーのカウンターで強いお酒を何杯も飲む
僕は眼を閉じたあなたのからだをゆっくりと舐めまわす
夜の間に貯水池の水は誰かが飲み干してしまったらしい
あなたは酔いつぶれて寝ているし
その傍らで
ぼくは干からびている
街中が騒いでいるが
ふたりとも
いつまでたっても
起き上がる気配がない
2012年4月16日月曜日
シャワーで流せる
パンを焼きましょう
海を見に行く前に
でもそのまえに
手紙を書きましょう
石鹸で手を洗ってから
(爪の間もきれいにしましょう)
苦しいことは
砂浜に行った時に
遠くに放り投げましょう
(できれば暗い気持ちと一緒に
人の頭に当てないように注意して)
(散歩の犬が駆けていった後で)
いつでも何かをする前に
何かをしなくてはならないから
し終えたらすぐ準備しましょう
(追い立てられる前に)
(なんて
これは嘘)
(約束はあなたを縛るから気をつけて)
パンツを脱いでから
シャワーを浴びましょう
気に入った香りのSOAPを手に
電話して泣くのは先にすませておけば
もう電話が鳴っても出なくてもいいから
気分よくシャワーで流せます
涙では流せなかったものも
シャワーで流せるもの
クラシカルな恋バナも
海を見に行く前に
でもそのまえに
手紙を書きましょう
石鹸で手を洗ってから
(爪の間もきれいにしましょう)
苦しいことは
砂浜に行った時に
遠くに放り投げましょう
(できれば暗い気持ちと一緒に
人の頭に当てないように注意して)
(散歩の犬が駆けていった後で)
いつでも何かをする前に
何かをしなくてはならないから
し終えたらすぐ準備しましょう
(追い立てられる前に)
(なんて
これは嘘)
(約束はあなたを縛るから気をつけて)
パンツを脱いでから
シャワーを浴びましょう
気に入った香りのSOAPを手に
電話して泣くのは先にすませておけば
もう電話が鳴っても出なくてもいいから
気分よくシャワーで流せます
涙では流せなかったものも
シャワーで流せるもの
クラシカルな恋バナも
2012年4月15日日曜日
ミ
それはミの音
好きな音
優しいけれど
突き放してくる
一人で
部屋に引きこもっている時
思い出すのは
あなたが発するミの音
混じりけのない
ミの音に
あなたの言葉が乗って
震えながら
私のところにやってくる
紙で作った帆掛け舟のように
私を喜ばせるために
私を欺いて
私の耳の奥へと進んでいく
ミ
好きな音
優しいけれど
突き放してくる
一人で
部屋に引きこもっている時
思い出すのは
あなたが発するミの音
混じりけのない
ミの音に
あなたの言葉が乗って
震えながら
私のところにやってくる
紙で作った帆掛け舟のように
私を喜ばせるために
私を欺いて
私の耳の奥へと進んでいく
ミ
2012年4月14日土曜日
私の机を照らすのは
デスクランプに照らされている
デスクの周りの闇
一人の少年が椅子に座り
何かを書いている
長い時間そこに座っているが
苦闘しているようだ
その様子が表情から読み取れる
何を書いているのか
何を悩んでいるのか
完成の兆しがないまま
いつの間にか
みるみる少年の体は透明になり
大きな破壊音がして
ついにはデスクも闇も消え
私の中にそれらは
のりうつるように
入ってきた
そのため
いま私はデスクライトの明かりを消して
パソコンをシャットダウンした
私の机を照らしているのは
漏れいるLED街灯のわずかな光だけだ
デスクの周りの闇
一人の少年が椅子に座り
何かを書いている
長い時間そこに座っているが
苦闘しているようだ
その様子が表情から読み取れる
何を書いているのか
何を悩んでいるのか
完成の兆しがないまま
いつの間にか
みるみる少年の体は透明になり
大きな破壊音がして
ついにはデスクも闇も消え
私の中にそれらは
のりうつるように
入ってきた
そのため
いま私はデスクライトの明かりを消して
パソコンをシャットダウンした
私の机を照らしているのは
漏れいるLED街灯のわずかな光だけだ
登録:
コメント (Atom)