2012年5月30日水曜日

故郷の星の道へ

ペンの先からインクが出て
紙に文字が現れる
その文字は
昨日の夜空の星座からやってきたのだ

星座は
いま
欧州辺りの上空にあり
地上に光を落としなから
震えているだろう

だか現れた文字は
ブラックホールと似ていて
私は安心していることができない

その黒い穴に
吸い込まれたら
どうなってしまうのだろうか
(反対側に抜ける通路はあるのだろうか)

インクケースは
無数の宇宙を濃縮してその重さに耐えている
私は自転車の籠に
バッグを放り入れて
故郷の道へと漕ぎ進む
故郷の星の道へと

1 件のコメント:

  1. 文字が紙に現われて、言葉になる。

    言葉になるとそこに世界ができる。

    その世界の重さ、輝き、衝撃、優しさ、ときめき、空虚、苛立ち、発見、嫌悪、憧れ、痛さ、可能性、冷たさ、喧騒・・・・・・・

    それに、私は、おぼれる。

    返信削除